「生理痛や冷えなどカラダの不調」「フェムゾーンの黒ずみやニオイ」「性交痛」など、女性が抱えやすい悩みに様々な効果があります。
学校や家では教えられてこなかったフェムゾーンのケア方法を「基本編」と「応用編」にわけて詳しく解説しています。
尿漏れや子宮脱の予防にもいいとされています。いつまでも潤っていて、ポカポカの膣を目指しましょう!
フェムケアは、広義の意味でフェムゾーン・デリケートゾーン・VIOゾーンをケアすることを意味し、膣トレや膣ケアなどもフェムケアに含まれます。
でも、フェムケアに興味があるものの「詳しいやり方を人には聞けない」と思っていませんか?
そこでこの記事では、フェムケアのやり方や効果を詳しく紹介します!フェムケアに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
フェムケアが注目される理由
まずは、フェムケアが注目される理由から見ていきましょう。
女性の社会進出が進み、政府による活躍の推進が進む中「生理中は思うように動けない」「仕事を続けたいのに更年期がつらい」など、女性特有の悩みを抱える方は少なくありません。
そのような状況下でSNSが普及し、女性のリアルな声が発信されたことで、フェムケアが発展したという背景があります。
また、女性の体調不良は企業にとっても大きな損失となります。そのため、社会全体でも女性が働きやすい環境づくりへの取り組みが進み、フェムケアを肯定する行政や企業が増えています。
フェムケアとフェムテックの違い
フェムケアとフェムテックは同じような言葉ですが、意味合いは異なります。
フェムケア
Feminine(女性の)とケア(Care)の造語で、フェムゾーンのケアをする、あるいは専用のアイテムを使って快適にすごすためにサポートすることをいいます。フェムケア商品には、生理用品や月経ショーツなどが挙げられます。
フェムテック
Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語で、テクノロジーを使用して女性をサポートすることをいいます。月経サイクルを記録するスマホアプリや卵子凍結などがこれにあたり、フェムテックという言葉が使われるようになったのは、SNSが急速に拡大しはじめた2012年頃といわれ、フェムケアの概念の一部にフェムテックがあります。
フェムケアの効果
続いて、フェムケアを取り入れる効果について見ていきましょう。
フェムケアは、冷えや生理痛などの改善が期待できるといわれています。生理前や生理中など、カラダがだるいと感じるときにはフェムゾーンを中心に温めるのもおすすめです。
フェムゾーンは顔や手などの皮膚とは違い、皮膚が薄くデリケートです。肌トラブルが起きやすい部位なので、フェムケアをすることで黒ずみやニオイの改善に期待できます。
膣やその周辺の乾燥を防いだり膣トレをしたりすることで、性交痛や性生活の改善にもつながります。フェムケア製品の中には、膣ケアを行うとともに、性交の際に潤滑剤として使えるものも市販されています。
フェムケアで目指したい膣の状態
健康な生活を送るうえで、膣を良い状態に保つことは重要です。良い状態というのは、血流が良くて温かい膣を指します。
膣は、子宮の入り口と外性器(外陰部)をつなぐひだ状の粘膜組織であり、健康であれば膣は血流が良く温かい状態です。血流が悪くなってしまうと、強い生理痛などの症状が起こり得ます。
また、膣の状態にはエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンも大きく関係し、40歳を過ぎる頃から減りはじめるといわれています。エストロゲンは卵胞の成熟や排卵を促すだけでなく、美肌作用もあるホルモンです。
エストロゲンが減少すると膣内の潤いが減り、膣の表面も乾燥します。放っておくと膣壁の粘膜が薄くなってしまい、場合によっては膣の萎縮化などのトラブルにつながりかねません。
血流の悪さや乾燥を防いで膣を良い状態に保つためには、次項で紹介するオイルでの保湿やマッサージ、膣トレなどで日々ケアしていくことが大切です。
フェムケアのやり方
女性の2人に1人は悩んでいるといわれているフェムゾーンは、日頃からのケアが必要です。
清潔に保つことでニオイを軽減し、かゆみやかぶれを防ぐことにもつながる
【2】オイルで保湿する
保湿することで黒ずみを防ぐことにつながる
【3】マッサージをする
血流を良くすることで膣トレの効果を高めたり、冷え対策に期待できる
【4】膣トレをする
性生活の質の向上のほか、尿漏れ対策や生理痛の軽減に期待できる
【5】生理用品・下着を見直す
自身にあった生理用品を使うことで不快感や皮膚への刺激軽減にもつながる
次項で詳しく見ていきましょう。
【1】フェムゾーンを正しく洗う
フェムゾーンは正しく洗うことが重要です。膣の中まで洗う必要はありませんが、どうしても気になる場合は、膣用の洗浄剤を用いてください。これまで、なんとなく洗っていた方や洗浄力が高いボディーソープを使用していた方は、正しい洗い方をマスターしましょう。
基本編(膣口まわりの洗浄)
フェムゾーンには溝があり、排泄物・経血・おりもの・汗といった汚れがたまりやすい部位です。大腸菌を膣や尿道に寄せつけないよう、恥丘側から肛門に向かって洗浄するのがポイントです。
① 低刺激の石鹸やフェムケア専用の洗浄剤を使い、しっかりと泡立てる
② 泡で押し当てるように膣まわり全体になじませる
③ 指の腹を使い、力を入れすぎずクルクル撫でながら細部まで洗う
④ 最後に肛門まわりを、円を描きながらやさしく洗う
⑤ 35〜37度のぬるま湯で泡を洗い流す
応用編(膣内の洗浄)
膣内は自浄作用があり弱酸性で保たれているため、膣の中まで洗う必要はないといわれています。もし、生理が終わる間際やおりもの・ニオイが気になるときには、膣内専用のアイテムを使うことで不快感を軽減できます。
① 容器を取り出しカラダをリラックスさせた状態で、先端から5〜8cmを膣に挿入
② ピストンを押し出し、ジェルを注入
③ 容器をゆっくりと抜く
④ おりものシートやナプキンを下着に装着し終了
(2〜40時間ほどかけて洗浄されたジェルが体外に排出)
膣内専用の洗浄アイテムには、ジェルタイプやシャワータイプ、ノズルタイプなどがあります。使用する際は「管理医療機器」を受けているアイテムを選び、説明書にある回数や使用方法を守りましょう。
【2】オイルで保湿する
フェムゾーンは、下着やナプキンなどで常に覆われ、蒸れやすく刺激を受けやすい環境にあります。痛みやかゆみ、不快感のある方はオイルで保湿ケアをしてみてください。
また、フェムゾーンが乾燥していると下着で擦れて傷つきやすくなったり、色素沈着の原因になったりします。そのため、黒ずみをケアする意味でも保湿は大切です。
なお、フェムゾーンの保湿剤は、基本的に膣の入り口まわりをケアするためのアイテムですので、膣の中をケアする場合は膣内専用のものを使用しましょう。
基本編(膣口まわりのケア)
フェムゾーンを洗った後はタオルで水分をやさしく拭き取り、清潔な指で摩擦を起こさないようフェムゾーン専用のオイルや保湿アイテムを使い保湿します。
応用編(膣内のケア)
膣内専用のアイテムを用意し、膣内洗浄の手順と同様に挿入します。注入後は下着が汚れるのを防ぐため、おりものシートやナプキンを使用してください。
膣内は、授乳期や更年期、加齢など、カラダの変化によって潤い不足や不快感を覚えることがあります。ストレスや不規則な生活でも潤い不足が起こるため、気になる方は膣内のケアを検討してみてください。
【3】マッサージをする
膣の外側のマッサージ方法
② 少陰唇は、そっとつまむむようなイメージで、内側と外側をやさしくつまむ
③ 会陰はUの字を描きながら、血流を促すようにマッサージする
④ 最後に肛門まわりを軽くもみほぐすようにマッサージする
手を洗い清潔な状態でフェムケア専用のオイルやクリームを手に取り外陰部全体に塗り広げてください。人差し指と中指、薬指の腹を使い外陰部中心に血流を促すようにマッサージしましょう。
膣内のマッサージ方法
② 膣壁に沿うように指を密着させ回しながらマッサージする
膣の乾燥や性交痛、女性ホルモンの減少で膣の中まで保湿やマッサージをしたい場合は、週2〜3回程度を目安に行いましょう。ジェルやローションはすぐに浸透してしまうため、マッサージにはオイルやクリームがおすすめです。
膣内のマッサージと似た方法として「セルフプレジャー」があります。自慰・マスターベーション・オナニーと同義で、自身を愛撫するセルフケアも選択肢として身近になりつつあります。
【4】膣トレをする
膣トレーニングは、出産や加齢によりゆるくなった筋力を鍛えることを目的としています。特に、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)を鍛えることで尿漏れの改善や、膣から子宮が出てくる子宮脱の予防になるほか、性生活の満足度を上げたい方にもおすすめです。
骨盤底筋群とは、骨盤の下部(底)にある筋肉の総称で、子宮や膀胱をハンモック状に支え、複数の筋肉が集合してできていることから、骨盤底筋群と呼ばれています。
道具なしの方法:ワイドスクワッド
② お尻を後ろに突き出すように膝を深く曲げる
③ 太ももと床が並行になるように意識し、元の体勢に戻す
5回程度、一日に3〜4セットを目安に行ってください。
道具ありの方法:インナーボールを使用する
② 膣の中にインナーボールを入れたまま日常生活を送る
③ 使用後、インナーボールを洗う
インナーボールはケーゲルボールなどと呼ばれ、膣の中に入れて日常生活を送るだけで膣トレができるグッズです。シリコンの中に入っているボールがコロコロ転がることで、膣が刺激され、トレーニングになるというもの。潤滑ジェルを使い粘膜を傷つけないように気を付けましょう。
【5】生理用品・下着を見直す
生理用品や下着を見直すことも、フェムケアの一つです。特に、生理中の快適度は生理用品や下着に左右されやすい傾向にあるため、気になる方はぜひ見直してみてください。
生理用品の見直し
例えば、生理用ナプキンをオーガニックコットンなどに変えると、経血だけでなく汗も吸収でき、不快感を軽減できます。布ナプキンや吸水ショーツ、トイレに流せるナプキンなども市販されているので、好みにあわせて探してみましょう。
下着の見直し
下着は締め付けないものを着用し、コットン素材や通気性の良い素材がおすすめです。下着の締め付けによって摩擦が起こりやすくなると、フェムゾーンが傷ついたり色素沈着したりする原因にもなります。最近では素材にこだわったサニタリーショーツも多いので、締め付けが少なく蒸れにくいタイプのものを探してみてください。
スキンケアと同じようにフェムゾーンもケアしましょう
誰しもが一度は悩むフェムゾーンのケアですが、正しいフェムケアを取り入れることで、悩みを軽減できます。
下着や生理用品を見直しただけで、快適度が増したという方も少なくありません。
ぜひ、あなたが取り組めそうなものからはじめて、肌と同じようにフェムゾーンも大切にしていきましょう。