「恋愛感情が湧かない…でも性的な欲求はある」
そんな自分に戸惑いを感じたことはありませんか?周りの友達が恋バナで盛り上がっていても、なんだかピンとこない。恋愛ドラマを見ても共感できない。でも、性的な魅力を感じることはある。
「自分っておかしいのかな?」と悩んでいる方に向けて、この記事では恋愛感情と性的感情の違いや、アロマンティックというセクシュアリティについて、わかりやすく解説していきます。
恋愛感情と性的感情は別もの?
そもそも恋愛感情と性的感情って何が違うの?
多くの人が「恋愛」と「性」を同じものだと思いがちですが、実はまったく別の感情なんです。
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恋愛感情
- 誰かを特別に思い、恋人として親密な関係を築きたいと願う気持ち
- 「この人と付き合いたい」「恋人になりたい」と感じること
- 相手に対して性的な魅力を感じたり、性的な関係を持ちたいと思う気持ち
- 身体的な魅力や性的な欲求に関する感情
性的感情
この2つは重なることもありますが、必ずしも一致するわけではありません。恋愛感情がなくても性的感情を持つ人もいれば、その逆の人もいます。
恋愛感情がない人によくある特徴
恋愛感情を持たない人には、いくつかの共通した傾向が見られます。もちろん、すべての人に当てはまるわけではありませんが、「もしかして自分もそうかも?」と思っている方の参考になるかもしれません。
多くの場合、恋愛感情がない人は日常生活の中で次のような感覚を体験をしています:
こうした特徴があっても、決して「おかしい」わけではありません。それは、あなたの自然な性質の一つなのです。
恋愛感情がないことで悩んだり、周囲と違う自分に混乱することもあるかもしれませんが、それもまた一つの個性として受け入れることが大切です。
アロマンティックって何?
アロマンティックの基本的な意味
アロマンティック(Aromantic)とは、他の人に対して恋愛感情を抱かない、またはとても少ない人のことを指します。
ここで重要なのは、「アロマンティック」は恋愛感情に関する指向のみを表している用語だということです。つまり、性的感情があるかどうかについては、この言葉だけでは分からないんです。
よくある誤解として「恋愛感情がない=性的感情もない」と思われがちですが、これは間違いです。恋愛的指向と性的指向は別々のもので、それぞれ独立して存在しています。だからこそ、自分を正確に理解するためには、両方の側面を確認する必要があるのです。(詳細については後ほど表でも説明します)
アロマンティックの人が感じる「あるある」
アロマンティックの人たちが日常で感じることの多い体験をまとめてみました。「あ、これ自分もそう!」と思うものがあるかもしれません。
- 恋愛話に興味が持てない
- 恋愛が前提の社会に違和感を覚える
- 恋愛感情がないことを説明するのが難しい
- 「冷たい人」と誤解されることがある
- でも、友情や家族愛はとても大切に思っている
これらの体験に共感する部分があっても、罪悪感を感じる必要はありません。多くのアロマンティックの人が同じような気持ちを抱えているのです。大切なのは、こうした自分の感じ方を受け入れ、自分らしい幸せの形を見つけていくことです。
アロマンティックでも幸せになれる?
もちろんです!恋愛感情がなくても、人生を豊かに幸せに過ごすことは十分可能です。
アロマンティックの人たちは、恋愛以外のさまざまな関係性や価値観を通じて充実した人生を送っています。例えば、恋愛関係の代わりに、以下のような形で人とのつながりや幸せを見つけている人が多くいます。
- 深い友情を大切にする
- 家族との絆を重視する
- 恋愛抜きのパートナーシップ(QPR:クィアプラトニックリレーションシップ)を築く
- 自分らしい生き方を選択する
大切なのは、自分に合った関係性や生き方を見つけることです。
アロマンティックとアセクシャルの違い
ここで混同しやすい用語を整理してみましょう。
アセクシャルとは?
アセクシャル(Asexual)は、他の人に対して性的感情や性的欲求をほとんど抱かない人のことです。
より正確に自分を理解するために、恋愛感情と性的感情を分けて考えてみましょう。
例えば、単に「アロマンティック」と言っても、「恋愛感情はないけど、性的感情はどうなの?」という疑問が残りますよね。そこで、両方の要素を組み合わせた用語を使うことで、より具体的で正確な自己理解ができるようになります。
「アロマンティック・アロセクシュアル」なら「恋愛感情はないけれど性的感情はある」ということが一目で分かります。
4つのパターンで整理

このように、恋愛感情と性的感情は独立したもので、さまざまな組み合わせが存在します。どの組み合わせも「普通」で「自然」なことなのです。
よくある悩みと向き合い方
SNSや知恵袋でよく見る質問
実際に多くの人がインターネット上で相談している内容を見てみましょう。もしかすると、あなたも同じような疑問を抱いているかもしれません。
「恋愛感情が湧かないのに性欲があるのは変?」
「恋愛対象がいないけど性的な関係は持ちたい」
「恋愛感情がない自分をどう受け入れればいい?」
「恋愛感情がないと結婚できないの?」
こうした悩みを持つ人はたくさんいます。あなたは一人じゃありません。
自分らしく生きるためにできる小さなこと
「自分はアロマンティックかもしれない」「恋愛感情がないことに悩んでいる」「周りの人にどう説明すればいいか分からない」
そんな気持ちを抱えている方に向けて、少しでも心が軽くなり、自分らしく生きていくためのヒントをお伝えします。完璧にできなくても大丈夫。一つずつ、自分のペースで取り入れてみてください。
恋愛感情がない、または性的感情だけがあることは、決して恥ずかしいことではありません。
2. 無理に恋愛をする必要はない
社会の「恋愛して当然」という価値観に無理に合わせる必要はありません。
3. 信頼できる人に話してみる
理解ある友人や家族、または同じ経験を持つ人とつながることで、心が軽くなることがあります。
4. 専門家やコミュニティを活用する
一人で抱え込まず、必要に応じてカウンセラーや支援団体のサポートを受けましょう。
社会の誤解を解くために
アロマンティックについて、まだまだ誤解されることが多いのが現状です。もしあなたが周りの人からこんなことを言われて傷ついたり、モヤモヤした気持ちになったことがあるなら、それはあなたが悪いのではありません。正しい知識を知ることで、自分に自信を持てるようになりますし、理解してもらいやすくもなります。一緒に事実を確認してみましょう。
「恋愛感情がない人は冷たい」
【事実】
恋愛感情がなくても、友情や家族愛など他の形の愛情は豊かに持っています。
「そのうち変わるよ」
【事実】
アロマンティックは一時的な状態ではなく、その人の自然な指向です。
「恋愛や性を否定している」
【事実】
自分が恋愛感情を持たないだけで、他の人の恋愛を否定しているわけではありません。
多様性を認め合う社会へ
性の多様性には、アロマンティックやアセクシャル(総称してAce:エースと呼ばれることもあります)も含まれます。LGBTQ+コミュニティの一部として、少しずつ認知が広がってきています。
一人ひとりの違いを尊重し、誰もが自分らしく生きられる社会を目指すことが大切です。
まとめ:あなたはそのままで完璧です
恋愛感情がない、または性的感情だけがあるあなたも、自分らしく幸せに生きる権利があります。
繰り返しになりますが、大切なことは:
- 自分の感情や指向を否定しない
- 他人に無理に合わせようとしない
- 自分に合った関係性や生き方を選ぶ
- 必要な時は周囲のサポートを受ける
- 一人ひとりの違いを尊重する
あなたの感じ方も、生き方も、すべて価値があります。自分を大切にしながら、安心して人生を歩んでいってください。