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女性に多い性感染症は?検査から予防方法まで徹底解説!

2024.11.26
この記事のポイント
  • 性感染症とは?
    主に性行為や性的接触で感染する病気です。性感染症の種類や症状、検査方法を詳しくご紹介しています。

  • 性感染症を予防するには?
    性感染症を予防するためにできる対策としてコンドームの正しい付け方などをご紹介します。

  • 性感染症についてよくあるQ&A
    性感染症についての疑問について解説しています。
  • 性感染症について、メディアなどで耳にしたり、目にする機会が増えたという方もいるかもしれません。性感染症は今ではカップル間でも広がっており、年齢関係なく誰にでも関係のある病気です。
    性感染症にかかってしまっても、決して恥ずかしいことではありません。大切なのは、できるだけ早く検査をし、適切な治療をすることです。
    性感染症の正しい知識を身につけ、予防しましょう。

    性感染症とは

    ベッドの上で見つめ合うカップル

    性感染症とは、性行為や性的接触で感染する病気です。ウイルスや細菌、原虫などが性行為や性的接触により感染します。
    性器だけでなく、肛門や尿道、口の中などさまざまな場所に接触することも原因です。感染症の種類によっては、自分の体から感染するものや、気がつかないものもあります。
    もし感染していた場合、病気によっては未来の赤ちゃんにまで影響があります。
    そのため、性感染症について正しい知識をつけておきましょう。

    梅毒

    梅毒は細菌が原因の感染症です。性行為によって感染しますが、2023年には調査が始まって以降最多の感染が確認されています。
    男性は20〜50代、女性は20代の感染が多いと報告されています。
    梅毒はHIVのリスクを高める可能性があるため、治療が大切です。

    どんな症状が出る?

    性器や肛門などにしこりやただれができます。また、症状が進むと全身にブツブツとした発疹が出ることもあります。
    一度消えることがありますが、治療せず数年経過すると、心臓・血管・神経の異常が出ることがあるでしょう。

    検査方法は?

    血液検査で判断されます。
    感染したと思うタイミングから4週間以上経過していたら検査可能です。

    性器クラミジア感染症

    性感染症の中で日本で最も多いものが性器クラミジア感染症です。
    性行為などによって性器や尿道、目や口の粘膜などに感染します。
    男女ともに症状が軽く、気づかないことが多いといわれています。

    どんな症状が出る?

    女性は無症状のことが多いです。生理痛やおりものが増えることがありますが、気づかないままだと、体の中に炎症を起こし、腹膜炎や不妊症の原因になります。

    検査方法は?

    尿やおりものの検査、のどで検査します。

    淋菌感染症

    淋菌という細菌が性器やのど、直腸などに感染します。クラミジア同様、感染者が多く20代が特に多いです。

    どんな症状が出る?

    クラミジア同様、女性はほとんど症状が出ません。

    検査方法は?

    尿やおりものの検査、のどで検査します。

    性器ヘルペス感染症

    単純ヘルペスウイルスが原因です。一度感染するとウイルスが体の中に居続けます。口唇ヘルペスと性器ヘルペスがあります。

    どんな症状が出る?

    症状はないこともありますが、性器に強いかゆみや痛み、小さい水ぶくれや皮膚のただれが出ることもあります。
    治療後もウイルスは体の中にあるため、疲れがたまったときや抵抗力が弱まっている時に再発することもあります。

    検査方法は?

    血液検査を行います。水ぶくれなどあれば細胞の検査をします。

    尖圭コンジローマ

    ヒトパピローマウイルスにより感染し、性器に小さなイボができる病気です。
    再発することが多いですが、子宮頸がんワクチンで予防できます。

    どんな症状が出る?

    無症状のことも多いです。膣の中にできることもあります。集まるとカリフラワーのようになることもあり、性器のかゆみや性交痛が出ることもあります。

    検査方法は?

    イボを確認することで検査します。

    性器カンジダ

    真菌(カビ)の1つです。健康な人でも口や膣など、体の中にもっていることが多くあります。疲れやストレスなど、免疫力が下がっているときに発症することがあり、誰でもかかる可能性があります。
    性的接触以外でも、自分の体から感染することもあります。

    どんな症状が出る?

    フェムゾーンに強いかゆみがあります。おりものが白くヨーグルトのようになったり、かたまりができたりすることもあります。

    検査方法は?

    分泌物の検査をします。必要であれば培養の検査をします。

    膣トリコモナス

    トリコモナスという原虫が原因です。性行為などにより感染しますが、下着の共有でも感染することがあります。
    女性に多く、治療しないままだと不妊症の原因になることもあるので、注意が必要です。

    どんな症状が出る?

    症状が出ないこともあります。
    排尿時の痛みや性交痛、においの強い泡のようなおりものが増えます。

    検査方法は?

    分泌物の検査をします。必要に応じて培養検査をすることもあります。

    HIV/エイズ

    体の中でHIVがある状態です。HIVによって体の中で免疫力が低下し、さまざまな合併症が出ることをエイズと言います。

    どんな症状が出る?

    HIVは自覚症状がほとんどありません。

    検査方法は?

    血液検査でわかります。保健所で相談も可能です。

    性感染症はどうやって感染する?

    病院を受信する女性と話を聞く女医

    性感染症はどのように広がってしまうのでしょうか。
    感染しうる状況や検査方法について紹介します。

    性行為により感染が広がる

    基本的には性行為で感染します。
    膣や口でのオーラルセックス、肛門でのセックスなどすべての性的接触が、感染の原因になり得ます。

    一方で、日常生活で他人の体液や粘膜に触れることはほぼないため、性行為以外では感染することはほとんどありません。

    しかし、極端に衛生状態が悪い場所や、体液がついたタオルや便座などから感染する可能性もゼロではありません。
    「自分は大丈夫」と思い込んで悪化してしまう前に、医療機関に相談しましょう。

    一度の性行為で感染することもある

    1度しか性行為していなくても感染することもあります。誰でもいつでも感染する可能性があることを知っておきましょう。

    性感染症の検査はどうやって行う?

    性感染症の検査は、どのように行うのか解説します。
    性感染症の可能性がある場合は、すぐに検査をしましょう。

    性感染症の種類によって保健所で検査ができる

    感染症の種類によって、医療機関や保健所で検査ができます。
    検査方法は症状により異なりますが、血液検査や尿検査、おりものの検査などします。

    パートナーとともに検査が必要

    どちらかが治療しても、片方が未治療の場合、ピンポン感染といい、お互いで移し合ってしまうことがあるため、治療が大切なことを伝えましょう。
    検査はパートナーと共にすることが大切です。

    無症状でも検査が必要

    感染したまま治療せず放置していると、病気が進行してしまうことがあります。
    女性の場合、不妊症につながるため、将来妊娠を考えている場合は影響が大きいです。そのため、感染が疑われる場合はすぐに検査をしましょう。

    感染がわかったら…パートナーへどう伝える?

    悩み頭を抱える女性

    感染がわかった場合、パートナーにどのように伝えるのか悩む方もいるでしょう。
    どのように伝えれば良いのか、向き合い方を紹介します。

    お互いの体のことを考えて伝える

    感染が分かった場合、どうしても焦ってしまいがちですが、まずはパートナーと話し合うことが大切です。
    どちらが先に感染したのかはわかりません。きっかけを探したり、最初から相手を疑ったりするのではなく、お互いの体のことを考えて伝えられるといいですね。
    自分で伝えられない場合は、一人では抱え込まず、医師に相談することも一つの方法です。

    特定のパートナーしかいなくても感染するリスクがある

    特定のパートナーしかいなくても、過去に性行為をした人から感染する可能性があります。
    過去の誰かが感染していればかかってしまう可能性がある病気です。

    性感染症を予防するためにできることは?

    性感染症はまず予防が欠かせません。ここからは、性感染症を予防するために大切なことを解説します。

    1:セックスをしない

    一番安全で確実な方法はセックス(オーラルセックスも含む)をしないことです。
    ただ、セックスをしないことは難しいため、セックスするのであれば気をつけることを以下で解説します。

    2:コンドームを正しく使う

    コンドームは避妊目的だけでなく、性感染症予防の効果が大きいです。
    膣での性交だけでなく、オーラルセックスや肛門での性行為でも必ず使用します。

    ピルを服用していると、妊娠はしませんが、性感染症にかかる場合はあります。
    妊娠を希望していない方は、必ずコンドームを使用しましょう。

    コンドームの正しい使い方

    コンドームは適切に使えていないと、意味がありません。
    使用期限を守り、熱や摩擦の多いところで保存しないようにしましょう。正しい使い方は以下のとおりです。

    1:コンドームに傷をつけないよう、爪を短く切っておく。
    2:袋の片方にコンドームを寄せ、傷つけないように取り出す。
    3:精液の溜まり部分を軽くつまんで空気をぬく
    4:勃起後は裏表を確認しすぐにペニスに被せる
    5:ペニスの根本まで被せ、たるんだ皮膚が残らないようにしっかり被せる
    6:射精後はペニスが小さくなる前にぬき、ティッシュでくるむか袋に入れて捨てる

    3:不特定多数と性行為をしない

    感染していない人同士が性行為をしても、感染することはありません。
    不特定多数の人と性行為をすると、さまざまなな感染症をもらう機会が増えるため、リスクが高くなります。

    また、感染した相手を特定することも難しくなり、治療しても再発してしまうこともあります。

    4:定期的に性感染症の検査を受ける

    症状がなくても感染していることがあります。できるだけ定期的に検査を受けましょう。
    妊娠を考えている場合は、赤ちゃんに感染することがあるため、妊娠する前に性感染症はないか確認し、治療が必要であれば治療後に妊娠を計画しましょう。

    性感染症予防のために日頃から気をつけたいこと

    性感染症を予防するために、できることがあります。
    以下のことを日頃から意識して、性感染症を予防しましょう。

    性行為の前後にシャワーを浴びる

    性感染症の原因となる菌やウイルスは性器だけでなく、皮膚や粘膜などにあります。
    シャワーを浴び、清潔を保つことで予防ができます。
    傷口がある場合は感染の危険性があるため要注意です。

    相手の性器を確認する

    相手の性器にブツブツとしたできものがないか、膿がないか確認しましょう。
    性器が嫌なにおいがする、においが強い場合も性感染症の疑いがあります。
    自分の体を守るためにも確認しましょう。

    歯ブラシやカミソリは使いまわさない

    HIVなど、性行為だけでなく血液を介してうつる感染症があります。
    リスクを下げるために、病原菌がつくようなもの、血液が付着する可能性が高いものは共用しないようにしましょう。

    性感染症についてよくあるQ&A

    性感染症についてよくある疑問について解説します。

    Q:性感染症は性行為以外でも感染する?

    A:病気によって感染する場合があります。

    病気によっては、性行為以外でも血液を介して感染することがあります。
    基本的には普段の生活で感染することはありませんが、極端に衛生状態が悪い場所や、体液がついたタオルや便座などから感染する可能性もゼロではありません。

    さまざまな可能性が考えられることを知っておき、違和感をおぼえたら、放置せずに医療機関に相談しましょう。

    Q:性感染症かもと思ったら何科を受診したらいい?

    A:女性は婦人科や感染症内科、皮膚科など/男性は泌尿器科や皮膚科、性感染症内科

    性感染症は無症状のものもあり、気がつかないという方も多いです。
    予防と早期発見が大切なため、症状がなくても検査は必要です。
    女性なら婦人科や感染症内科、皮膚科など、男性は泌尿器科や皮膚科、性感染症内科を受診しましょう。

    Q:性感染症はどうやって治療するの?

    A:多くの場合、飲み薬や塗り薬

    飲み薬や塗り薬で治療することが多いでしょう。
    感染症によっては、パートナーと一緒に治療を受けることが必要な場合もあります。
    ほとんどの性感染症は、早めにしっかり治療すれば治ります。まずは医師の指示に従って、根気良く治療を続けましょう。

    Q:治療したらその後は感染しないもの?

    A:感染する可能性はある。

    治療したら安心というわけではありません。治療後も感染する可能性はあるため、常に予防を心がけることが大切です。

    自分もパートナーも大切にするために!正しい知識をもって予防しよう

    笑顔で笑い合う男女

    性感染症は、性行為をしたことがある方なら、誰でもかかる可能性がある病気です。
    性感染症にかかってしまっても、恥ずかしいことではありません。少しでも心配なことがあれば、恥ずかしがらずに検査をし、適切な治療をしましょう。
    自分と大切なパートナーの体を守るためにも、予防がとても大切です。
    正しい知識をもって、性感染症を予防しましょう。

    この記事を書いた人

    オドリバ編集部サムネイル

    オドリバ編集部

    「オドリバ」は女性の悩みに寄り添うメディア。性・カラダ・こころをメインテーマに、ライフステージを駆け上がる女性たちがひと休みできる「踊り場」のように、こころの拠り所になることを目指し誕生しました。

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