「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」をかけあわせた造語。女性のQOLを向上させるものとして、近年注目されています。
フェムゾーンはしっかり洗ってたっぷり保湿!フェムケアのキホンを学びましょう。
月経の時や妊娠出産の時など女性特有のシチュエーション別にどんなフェムケアができるかを解説しています。
フェムケアという言葉を知っていますか?
近年、広がりを見せているフェムケアですが、具体的に何をするのか知らないという方もいるのではないでしょうか。
フェムケアは年代問わず、美と健康のため、すべての女性に必要なことです。
この記事では、フェムケアがどのように女性のQOLを向上させるのか、具体的な効果やメリットについて、日常生活のさまざまなシーン別にご紹介します。
フェムケアとは?
フェムケアとは、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」をかけあわせた造語のことをいいます。
女性のQOLを向上させるものとして、近年注目されているコンセプトです。
フェムケアが広がりを見せる背景には、女性の社会進出、健康意識の高まり、SNSの普及により、女性が悩みなどを発信できるようになったことなどが挙げられます。
本来は、フェムゾーンのケアという意味で用いられることが多くありました。しかし現在は、女性のQOLを上げることや、女性にとって働きやすい社会のサポートなど、幅広い意味で使われています。
また、よく似た言葉に「フェムテック」があります。
違いについて詳しく知りたい、フェムケアが注目されるようになった背景について、もっと知りたい方は下記の記事もぜひご覧ください。
これだけは知っておこう!フェムケアのキホン
フェムケアは何をするの?どのようにするの?と知らない方もいるでしょう。
まずはすぐにできる、フェムケアのキホンについておさらいしておきましょう。
まずはしっかり洗う
フェムゾーンのお悩みを解決するために、まずは清潔を保つことが大切です。
女性器は複雑な形状をしており、おりものや経血などにより「恥垢(ちこう)」といわれるフェムゾーンの垢がたまりやすい状態です。
放っておくと、イヤなニオイや感染症などのリスクが高まります。
その不快感やニオイのせいで、性行為もリラックスして楽しめなくなる可能性もあります。
そうならないためにも、入浴時に専用のソープでしっかり洗うことが大切です。普通のボディソープでは刺激が強く、かえってトラブルになってしまうこともあるため、フェムゾーン専用ソープを使用することがおすすめです。
フェムゾーン専用アイテムは肌にやさしく、ニオイを抑えたり、黒ずみのケアができる製品もあります。
自分の目的に合わせた専用アイテムを取り入れてみましょう。
たっぷり保湿してあげる
「フェムゾーンはムレるから、保湿しなくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、乾燥からくるかゆみなどのフェムゾーンのお悩みは、保湿することで改善できます。
フェムゾーンのかゆみは、加齢やホルモンバランスの変化だけでなく、下着やトイレットペーパーでの摩擦なども原因と言われており、年代問わずすべての女性に共通する悩みの1つです。
乾燥したままなにもケアをしないと、肌トラブルの原因になります。
入浴後などの清潔な肌に、専用のオイルやクリームで保湿するだけでも、ふっくらとした若々しい印象になるだけでなく、肌のターンオーバーを促す効果も期待できます。
今すぐ始められる!シチュエーション別フェムケア6選
フェムケアを取り入れたいけれど、何から始めたらいいのかわからないという方もいるかもしれません。
ここからは、日常生活に役立つフェムケアの方法やアイテムをシチュエーション別でご紹介します。
今すぐ始められるものですので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
【1】おトイレのとき
フェムケアは身近なところから始められます。
まずは普段のおトイレタイム。
ペーパーでゴシゴシ強く拭いているという方は要注意!
かぶれや乾燥、黒ずみの原因になります。ポンポンとやさしく押さえて水分を吸収させるようにするだけで、肌への負担が減りますよ。
排便後は後ろから前に向かって拭いてしまうと、肛門付近の細菌が膣に入るおそれがあるので、お尻側から手を入れて、前から後ろに向けて拭きましょう。
拭き取り後にプラスアルファでウェットタイプのフェニミンシートを使ってあげると、スッキリ感が増します。
普通のウェットシートでは刺激が強いので、フェムゾーン専用シートを使いましょう。
さまざまな製品があるので、いい香りや好きな香りのものを選べば、トイレタイムがちょっとした癒しになりますよ。
トイレにそのまま流せるものだと処理も楽ちんですね。
フェミフローライン / ネットショップわかもと
デリケートな部分の汚れやにおいの元をいつでも、どこでも、手軽にやさしく除去。
膣のpHに寄り添った弱酸性なので、健康な膣の細菌叢(フローラ)を乱すことなくケアできます。
イロハ インティメイトシート / iroha
汚れや匂いが気になった時にさっと拭けるシートタイプ。
美容成分配合でお肌にも優しい肌触りです。
ソフィ デリケートウェットシート / unicharm
フレッシュフローラルの香りで使用後は洗い流したようにさっぱり清潔にしてくれます。
【2】月経のとき
月経のときに、ナプキンやショーツの重ね着などでムレてニオイが発生したり、ムズムズやかゆみを感じたりすることもあるでしょう。
「たった数日我慢すればいいから」と思っている方もいるかもしれません。
ですが、もし大事な試験や仕事のプレゼン日などと月経が被ってしまったら、大事なときに集中できないかもしれません。
フェムケアで少しでも不快感を減らして、快適に過ごしましょう!
吸水サニタリーショーツ / amazon
近年注目を集めている吸水サニタリーショーツは、生理用品を持ち歩いたり、何度も替える手間が省けます。
量が多い日はナプキンやタンポンなどの併用が必要ですが、水分を吸収してくれるので、ムレずにさらさらな状態が続きます。
オーガニックコットンなど、肌触りのよいものを選べばより快適で肌への負担も少ないですよ。
月経カップ / 「Me Luna」月経カップとは
月経中に不快な、経血のドロっとした感じがなく使用できるアイテムです。
繰り返し使えて、膣内に挿入するのでニオイやムレが少ないだけでなく、ゴミが少なく済むこともうれしいポイントですね。
サイズや形状などさまざまなものがあるため、経血量など、個人の状態に合わせてサイズや形状を選びましょう。
届出番号が商品に記載されている一般医療機器認証済みのものが安全です。
プチシャワー・セペ / ツルハグループ
膣内洗浄がセルフでできるアイテムです。
膣内やデリケートゾーンの汚れを落とし、清潔に保つことができます。
生理の終わりかけに膣内洗浄をすると、膣内に残っている経血を洗い流して、少しずつ出血する期間を短縮できるメリットがあります。
生理期間の短縮は、フェムゾーンのムレや肌トラブル軽減につながりますよ。
【3】妊娠・出産のとき
会陰(えいん)マッサージをしましょう。
赤ちゃんが膣口から出てくるときに、会陰の伸びが悪いと会陰切開を行うことになります。
会陰は年齢とともにどんどん硬くなるため、会陰をやわらかくしておくことで、スムーズなお産や産後の負担を軽減することにつながります。
少しでもやわらかく、快適にするために行うのが「会陰マッサージ」です。
会陰マッサージは妊娠34週以降に行うのがよいとされています。
areba ein pack アレバ エインパック / Bitatto japan
貼って寝るだけなので手軽な上、使い切りで衛生的です。毎日継続することで、少しずつ変化していきます。
AMOMA カレンデュラオイル / 楽天
ママと赤ちゃんのために安全性と品質にこだわった万能オイル
インティメート バージンオイル / INTIME ORGANIQUE
出産前の会陰マッサージにも使用できる、腟まわりのマッサージオイル
オイルはなるべく植物由来成分や低刺激のものがおすすめです。
膣口に指を入れてマッサージする方法に抵抗がある方は、会陰を保湿するだけでもOKです。
コットンにオイルを浸し、会陰に15〜30分当てます。下着の汚れが気になる場合は、ラップをして保護する方法もあります。
お風呂のタイミングで剥がして、しっかり洗いましょう。
フェムゾーン用の会陰パックを活用するのもおすすめです。
【4】産後ケア
産後はホルモンバランスが崩れやすい時期です。
出産で身体への負担もあり、分娩時に骨盤底筋に負担がかかることで尿漏れにつながることもあります。
神経が傷ついてしまうと、尿がでない、感覚がないなどのトラブルにつながる可能性があります。
まずはゆっくり休むことを優先しましょう。
少し余裕が出てきたら、膣トレや骨盤底筋エクササイズを取り入れてみましょう。
膣トレは膣の締まりをアップさせるトレーニングです。
海外では出産後の女性が多く行っている方法です。
出産により膣が緩んでしまい、膣の締まりが低下することがあります。
膣トレは、出産後緩みがちな膣を締めることができるので、産後ケアにおすすめです。
【5】性生活
フェムゾーンまわりがしっかりとお手入れされていて、ニオイやかゆみが気にならないベスト
な状態だと、自分に自信がついて、パートナーとのスキンシップももっと楽しめそうですよね。
フェムケアの基本は洗浄と保湿です。
傷つけないように泡でやさしく丁寧に洗うことがポイントです。
洗いすぎは乾燥につながるので注意しましょう。
洗い流すときは、シャワーなら水圧は弱め、35℃前後ぬるま湯で膣内に水が入らないようにしっかりすすぎましょう。
さらに詳しく知りたい方は下記記事も合わせて読んでみてくださいね。ステップごとに解説しています。
うるおい不足を感じたらルブリカント(=潤滑ゼリー)
「今日は少しうるおい不足だな」と感じたら、
ルブリカント(潤滑ゼリー)を試してみるのもよいでしょう。
「潤滑ゼリー」と「ローション」は別物です。
潤滑剤は女性の腟粘膜や外陰部に使うことを想定して作られていて、性交痛の予防や痛みの軽減に効果的です。
ローションは、肌の摩擦を減らすことを想定した設計のため、ヌメリが強く、水で流しても落ちにくいものが多いです。
また、粘膜に使用できない成分が入っていたり、膣に入ってしまうと、膣を守る常在菌が減ってしまったりします。
そのため、使用目的に合わせて使い分けましょう。
「いい香りをさせたいな」と思ったら、サッと手軽に伝えるミストタイプのスプレーも活用してみましょう。
いい香りをさせたいと思ったらミストスプレー
「いい香りをさせたいな」と思ったら、サッと手軽に伝えるミストタイプのスプレーも活用してみましょう。
・derideri / 楽天
爽やかなラベンダーの香りでお肌を保護するミストスプレー。逆さまでもスプレーが使えます。
【6】閉経・更年期以降
閉経・更年期以降は、膣も年齢とともに衰えがちです。
膣が乾燥、萎縮してしまうことも多く、尿漏れ・便漏れなどさまざまなトラブルが出やすい時期です。
膣ケアにより膣内の自浄作用をキープできるので、更年期や閉経後に起こりやすいフェムゾーンの炎症・痛み・かゆみなどのトラブルを防ぐことができますよ。
基本のフェムゾーンの洗浄と保湿に加え、膣口や膣内も専用オイルでやさしくマッサージしてあげましょう。
フェムケアを始めて心身の健康を保とう!
フェムケアは年代問わず、すべての女性にとって大切です。
フェムケアを取り入れることで、心身の不調の改善だけでなく、自分に自信を持つことも期待できます。
お悩みは人によってさまざまなので、自分の悩みや状況に合わせたケア製品を取り入れましょう。