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【医師監修】女性の性病の症状一覧|性感染症の検査・治療・予防法を徹底解説

2026.08.11
中里 泉 先生
監修
中里 泉 先生
あらかきウィメンズクリニック
日本産科婦人科学会認定専門医/医学博士
専門:生殖内分泌、性感染症
所属学会:日本産科婦人科学会 日本生殖医学会

性感染症は、特別な人だけがかかる病気ではありません。自覚症状がないまま感染が広がるケースも多く、女性は特に気づきにくい特徴があります。

この記事では、女性に多い性感染症の種類・症状・検査・治療・予防法をわかりやすく解説します。なお、「性病」という呼び方が一般的に使われますが、医療現場での正式名称は「性感染症」です。

女性が知っておきたい性感染症の基礎知識

性感染症は男女ともに感染する病気ですが、女性には特有のリスクがあります。

性感染症(性病)とは

性感染症とは、性的接触を介して感染する病気の総称です。感染経路は性器同士の接触にとどまらず、肛門性交や口腔性交など、あらゆる性的接触が対象となります。

若い女性の感染者は増えている

近年、特に若い女性の間で性感染症の感染者数が増加しています。中でも梅毒の増加は深刻で、2014年ごろは年間の報告数が約1,700件程度でしたが、2022年には10,000件を超え、その後も1万件以上が続いており、国も注意を呼びかけています。

女性にとってリスクが高い

女性は感染しても無症状であることが多く、知らないうちに感染が進行してしまうケースが少なくありません。症状がないまま放置すると、不妊や母子感染といった深刻な問題につながることもあるため、定期的な検査が特に重要です。

主な性感染症の種類と女性特有の症状

性病に関する情報が記載されてるページが開かれた本

ここでは、女性に多い代表的な性感染症について、症状・特徴・注意点をまとめます。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、すべての性感染症の中で最も感染者数が多いとされています。主な症状として、おりものの増加・かゆみ・不正出血・下腹部痛などがありますが、感染した女性の半数以上が無症状であると報告されています。

淋菌(りんきん)感染症

クラミジアと同様に、おりものの増加・不正出血・下腹部痛といった症状が現れます。約40%の女性が無症状とされており、こちらも気づきにくい感染症のひとつです。1回の性交渉での感染率が約30%と高い点も特徴で、感染力の強さには注意が必要です。

トリコモナス腟症

においの強いおりものの増加や強いかゆみが主な症状です。感染者の20〜50%が無症状とされています。性行為によって感染するだけでなく、タオルや下着・便器・浴槽などを介した感染も起こり得るとされています。

外陰腟(がいいんちつ)カンジダ症

カッテージチーズ状のポロポロとしたおりものの増加と、強いかゆみが特徴です。抗生剤の内服後・妊娠中・糖尿病・通気性の悪い下着の使用・過度な洗浄などが発症のきっかけとなることがあります。

性器ヘルペスウイルス感染症

性器に水ぶくれやただれができるのが主な症状です。特に初めて感染した際には症状が強く出やすく、高熱・強い痛みで歩行が困難になったり、排尿時の激痛からトイレに行けないほどになるケースもあります。一度感染するとウイルスは体内に潜伏し続け、完全に排除することができません。疲労・ストレス・免疫低下などをきっかけに再発することがある点も重要です。

尖圭(せんけい)コンジローマ

性器や肛門の周囲に小さなイボが複数できるのが特徴です。かゆみや痛みはほとんどないため気づきにくい場合がありますが、放置すると増殖・拡大することがあります。

梅毒(ばいどく)

近年、特に若い女性を中心に急増している性感染症です。感染初期には性器に小さなしこりやただれができ、その後全身にかゆみのない発疹が現れることがあります。一時的に症状が消えるため「治った」と誤解されやすいですが、感染自体は体内に残り続けます。数年から数十年後に心臓・血管・神経などに深刻な異常をきたし、命に関わることもあります。

B型肝炎

倦怠感・食欲不振・微熱・黄疸(おうだん)などが主な症状です。性行為による感染経路も確認されており、性感染症のひとつとして位置づけられています。感染者の一部は劇症化することがあり、肝臓移植が間に合わない場合の死亡率は70%にも上るとされています。

HIV感染症

感染から数週間後に、発熱・頭痛・倦怠感といったインフルエンザに似た症状が現れます。その後症状が一時的に消えますが、感染は体内で進行し続け、免疫細胞が徐々に破壊されます。適切な治療を受けなければ、通常では感染しないような病気(日和見感染症)にかかり、命を落とすこともあります。現在は抗ウイルス薬による治療で生活の質を維持できるようになっていますが、早期発見が極めて重要です。

性感染症を放置するとどうなる?合併症・不妊リスク

性病による合併症に関する情報が記載されてるページが開かれた本

性感染症は無症状のことも多いため、「症状がないから大丈夫」と放置してしまいがちです。しかし、治療せずに放置すると、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

骨盤内炎症性疾患

無症状のクラミジアや淋菌感染症を放置すると、感染が子宮・卵管・骨盤内腹膜へと広がり、骨盤内炎症性疾患を引き起こすことがあります。発症すると下腹部痛・発熱・不正出血などの症状が現れます。さらに炎症が慢性化すると、慢性骨盤痛・卵管閉塞による不妊・異所性妊娠のリスクが高まります。

母子感染

HIV・B型肝炎・梅毒・クラミジアなどに感染したまま妊娠・出産を迎えると、赤ちゃんへの感染(母子感染)が起こる可能性があります。母子感染は流産・死産を引き起こしたり、赤ちゃんに先天的な障害をもたらす原因となることがあります。

命に関わる健康被害

梅毒・HIV・B型肝炎は、放置すると徐々に全身へと進行します。心臓・血管・肝臓・神経などに深刻な後遺症を残したり、最悪の場合は命に関わることもあります。

性感染症の検査・治療について

「もしかして感染しているかも」と心配になったとき、実際にどこで・どのように検査や治療が受けられるのかを解説します。

検査を受けられる場所

性感染症の検査は、婦人科のクリニック・保健所・郵送検査キットなどで受けられます。保健所では無料・匿名で対応している場合が多くあります。検査できる病気の種類は場所によって異なるため、事前に確認しましょう。

検査の種類、費用

検査の方法は疾患によって異なります。おりものの採取・尿検査・血液検査・視診などが組み合わせて行われます。

費用の目安としては、症状がある場合は保険適用で数千円程度、症状がない場合は自費診療で数千円〜数万円(医療機関によって異なる)かかります。保健所や自治体の検査は、一般的に無料です。

主な治療法

原因となる病原体の種類によって、治療法は異なります。細菌性(クラミジア・淋菌・梅毒など)には抗生剤の内服や注射が使われます。ウイルス性(ヘルペス・HIVなど)には抗ウイルス薬が用いられます。
尖圭コンジローマのように目に見える病変がある場合は、切除や焼灼(しょうしゃく)による治療が行われることもあります。

性感染症の予防法

コンドームやワクチンなど性感染症の予防方法などの選択肢が書かれたカード

性感染症は、正しい知識と習慣によって予防することができます。以下の4つの方法を日常に取り入れましょう。

コンドームを使う

最も手軽にできる予防法です。100%の予防効果があるわけではありませんが、感染リスクを大幅に下げる効果があります。特別な知識がなくても使用でき、薬局やコンビニなどで入手できる点も利点です。ピルで避妊している方も、性感染症の予防はできないため、コンドームとの併用をおすすめします。

検査を受ける

気になる症状があるときはもちろん、症状がない場合でもパートナーが変わったとき、不特定多数との性交渉があるとき、あるいは妊娠を希望している場合などは、定期的に検査を受けることを習慣にしましょう。

ワクチンを接種する

B型肝炎とHPV(尖圭コンジローマ・子宮頸がんの原因ウイルス)は、ワクチンによって感染を予防することができます。自治体の助成制度を利用すると、無料または低価格で接種できる場合がありますので、お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。

パートナーとコミュニケーションをとる

自分やパートナーに気になる症状がある場合は、きちんと話し合うことが重要です。検査で陽性が判明した場合は、必ずパートナーにも検査・治療を受けてもらいましょう。ピンポン感染を防ぐためにも、普段からオープンに話せる関係を築くことが大切です。

女性の性病の症状に不安を感じたら、まず検査を受けてみよう

清潔感のあるクリニック

性感染症は、症状がなくても感染していることがあります。放置すれば不妊や合併症につながるリスクもあるため、早期発見・早期治療がとても大切です。

「もしかして…」と少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まず、まずは婦人科や保健所で検査を受けてみましょう。

この記事を書いた人

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ピカエナ

webライター。産婦人科系の情報を中心に発信しています。休日はアフリカのサファリで動物の写真を撮っています。

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