「最近なんだか、性欲がわかない」「パートナーと過ごす時間は好きだけど、そういう気分になれない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
性にまつわることは、人に相談しづらかったり、話題にしにくかったりするもの。でも実は、同じような悩みを抱えている人は少なくありません。この記事では、性欲と心(メンタル)の関係について、わかりやすく、そして少し深く掘り下げながら解説していきます。
性欲がないと感じる時、自分を責めるのではなく、「今、心と体にどんなことが起きているのかな?」とやさしく見つめるヒントになれば幸いです。
性欲は「心の鏡」?——メンタルが揺れると、性欲も揺れる
性欲は、単なる生理的な現象ではありません。実はとても繊細で、心の状態に大きく影響を受けるものです。
たとえば、強いストレスや不安、慢性的な疲れがあるとき。「落ち着いたらできるかも」と思っていても、いざそのときになるとまったく気分がのらない……という経験はありませんか?
これはとても自然な反応です。性欲は、安心感や心の余裕があるときに育まれやすいもの。逆に、緊張や不安で心がいっぱいになっていると、体も自然と"閉じモード"になってしまいます。
性欲は、心のゆらぎを映す“こころの鏡”とも言える存在。だからこそ、「気分がのらないな」と思ったときに、「なぜそう感じるのか?」を考えることが、自分自身との大切な対話になります。
性欲には“自然発生型”と“反応型”の2タイプがある
「ムラムラすることがほとんどないから、性欲がないのかも」
そんなふうに感じている人もいるかもしれません。でも、性欲には“感じ方”のタイプがあります。自分の性欲のタイプを知ることは、自分を理解し、肯定することにもつながります。
自然発生型タイプ
- ふとしたときに急に"その気"になる
- 性的な刺激がなくても、欲求が湧いてくる
- パートナーがいなくても性欲がわく
- どちらかというと、男性に多い傾向
反応型タイプ
- スキンシップやふれあいをきっかけに、気分が高まってくる
- 愛情や安心感があることで、性欲が生まれる
- 体に触れられたり、優しく見つめられたりすることで気持ちが開いていく
- 多くの女性がこちらの傾向に近い
「ムラムラしない=性欲がない」ではありません。ハグされたり、優しく触れられたり、信頼関係のある中で会話をしたりといったやり取りのなかで、ゆっくり気持ちが動き出す——そんな"反応型"の性欲を持つ人はとても多いのです。
さらに、性欲のタイプは一生固定されるものではなく、年齢やパートナーとの関係性、生活環境などによって変化していくこともあります。今の自分にとっての性欲のあり方を見つめることが、自己理解の一歩です。
「性欲がない」は“こころのサイン”かもしれない
性欲の変化は、体だけでなく心からのメッセージでもあります。
- 気づかないうちに、がんばりすぎていない?
- 本当は休みたいのに、無理していない?
- 自分の気持ちを後回しにしていない?
- 「心地よい」と感じる瞬間が最近なかったかも…?
「最近その気になれない……」と感じたら、まずは自分の生活や心の状態を振り返ってみてください。
性欲が弱まっていること自体を否定する必要はありません。むしろそれは、「今ちょっと心が疲れているよ」「安心したいよ」という、心と体からのやさしいサインかもしれません。
メンタルの不調は、眠れない・集中できないといったわかりやすい形で現れることもあれば、性欲のように“気分の波”として現れることもあります。だからこそ、見逃されがちな「性欲の変化」に目を向けることは、心の健康を整える大切なきっかけになります。
メンタルと性欲、どうやって整えていけばいい?
こころと体はつながっています。性欲が湧きづらいとき、自分を責めるのではなく、少し立ち止まって“今の自分”をケアしてあげる時間にしてみましょう。
1. 自分の感覚に耳をすませる
「いま、どんなことを感じてる?」「体にどんな力みがある?」
ジャーナリング(書き出し)をして、自分の気持ちや体の状態をそのまま言葉にしてみると、モヤモヤの正体が少し見えてくることがあります。深呼吸やストレッチなども、心と体をつなげるシンプルなケア方法です。
2. 心地よいと感じることをする
お風呂にゆっくり入る、肌ざわりのいい服を選ぶ、好きな香りをまとってみる——そういった“感覚を心地よくする”アクションが、ゆるんだ自分とのつながりを取り戻してくれます。五感を使ったセルフケアは、性欲にもやさしい土台をつくってくれます。
3. "しなきゃ"ではなく"したい"を大切にする
性にまつわる行動は、どれも義務ではありません。セルフプレジャーも「正しくしなきゃ」「回数を増やさなきゃ」ではなく、「今の自分にとって心地いい」かどうかがいちばん大切です。
なんとなく体に触れてみたくなったら、それでいい。何も感じなくても、それでもいい。「こうあるべき」を手放して、自分の“したい”にそっと耳を傾けてみてください。
4. 誰かと比べない、自分のペースを守る
SNSや雑誌の記事を見て、「私だけが性に前向きになれないのかな?」と感じることがあるかもしれません。でも、性欲の波は人それぞれ。季節、ホルモンバランス、人生のフェーズ——すべてが影響します。
他人と比べて不安になるよりも、「自分の心地よさ」に軸を戻してあげることが、結果的に自己肯定感を高めてくれます。
おわりに:波があって当たり前。性欲は、コントロールではなく“対話”するもの
性欲が強いとき、弱いとき。突然気持ちが動く日もあれば、しばらく何も感じない日もある。性欲は“正しくあらねばならない”ものではなく、“揺れていいもの”です。
毎日の生活の中で、「気づいたらそんな気分になっていた」ということもあるし、「今日はなんとなく触れられたくない」という日もあるでしょう。どちらも、どんな自分も、否定する必要はありません。
性欲を“管理”しようとすると苦しくなります。でも、「今の私は、こう感じている」と受け止められると、心がゆるみ、自然なリズムが戻ってくることがあります。
“その気”になれないときは、自分を責めるよりも、自分に寄り添ってあげる時間に変えてみてください。それだけでも、性と心のつながりは少しずつ取り戻せていくものです。
ODORIBA(オドリバ)では、性・心・体のつながりを大切にした情報をこれからも発信していきます。"感じる"ことに素直になれる毎日を、一緒に育てていきましょう。