彼のことが好き。
きっと彼も私のこと、好きなはず…
だけど、どうして“好き”って言ってくれないの?
「会いたい」も「かわいいね」も、あまり口にしてくれない彼に、
ふと、
でもね、それって、あなたが愛に素直な証拠なんです。
今回は、そんな“言葉にしてくれない彼”の心の中を、
男性心理の視点からそっとのぞいてみましょう。
「伝えてくれない」に隠された、優しさや不器用な愛を知れば、
きっと少し、心がふわっと軽くなるはずです。
「好きって言ってくれない…」が生まれる日常のすれ違い
彼のことを想っているからこそ、
ふとした瞬間に「私のこと、どう思ってるのかな?」と考えてしまう。
とくに言葉にして愛を伝えてほしいタイプの女性にとっては、
“沈黙”は時に、不安のスイッチになる。
たとえば──
デートのあと、「今日楽しかったね」とは言ってくれるけれど、
「また会いたい」や「好き」のひとことがない。
記念日や誕生日にプレゼントはくれるのに、
「おめでとう」とだけ言って、気持ちは語らない。
LINEのやりとりもそっけなくて、スタンプで終わることが多い。
そんな場面が重なると、
「本当に私のこと、好きなのかな?」
「もしかして、私だけが一方的に想ってるのかも…」
そんな風に、不安が大きくなってしまうこともある。
でも、ちょっと待って。
その沈黙の中に、もしかしたら“別の形の愛”があるとしたら──?
言葉にしない彼の胸の内には、どんな気持ちがあるの?
「好きって言ってくれたら安心できるのに」
「もう少し、ちゃんと気持ちを伝えてくれてもいいのに…」
そう感じるのは、とても自然なこと。
でも実は、言葉で気持ちを表すことが得意ではない男性も少なくないんです。
言えないのは、気持ちがないからじゃない。心理的な背景を知ろう
心理学的にも、「感情を言語化する力(アレクサイミア傾向)」は、女性よりも男性の方が弱いとされる研究もあります。
つまり、彼があなたを想っていないのではなく、どう伝えればいいか分からないだけという可能性もあるのです。
さらに、こんな背景が隠れていることもあります。
1.「言わなくても分かるでしょ」という価値観
「愛してる」よりも、「迎えに行くよ」「疲れてない?」と気遣う行動で愛情を表現するタイプの男性もいます。
本人の中では、ちゃんと“伝えているつもり”なんですよね。
2.プライドと照れ隠しがセットになっている
「好きって言って…」と言われると、つい照れてしまったり、
「なんでそんなこと聞くの?」と、逆に反発してしまう人も。
実はそれ、恥ずかしさを隠すための反応だったりするんです。
3.育った環境や、過去の恋愛経験の影響
家族の中で愛情表現があまりなかったり、過去の恋愛で“気持ちを伝えたのに裏切られた”などの傷があると、
「言わない方が安全」と無意識に思ってしまうケースも。
だからこそ大事なのは、
「言ってくれない=愛がない」と決めつけないこと。
言葉は一つの手段に過ぎなくて、
彼なりの“愛の伝え方”が、他にあるのかもしれません。
ちょっと深掘り:感情を言葉にするのが苦手な「アレクサイミア」という傾向
“アレクサイミア(Alexithymia)”とは、
自分の感情をうまく認識したり、言葉にすることが難しい傾向のこと。
病気ではなく、その人の性格傾向として研究されているもので、
実はこの傾向、女性よりも男性に多いというデータがあるんです。
たとえば──
- 「なんかモヤモヤするけど、何が嫌なのか分からない」
- 「本当は寂しいのに、それをうまく伝えられない」
- 「気持ちはあるけど、どう表現すればいいか分からない」
そんな風に、“感じる”と“話す”の間にギャップが生まれやすいのが、アレクサイミア傾向の特徴。
アメリカ心理学会(APA)でも、男性は感情を言語化する力が弱い傾向があると紹介されています。
だから、
「好きって言わないのは冷たいから」ではなくて、
“言いたいけど、どう言えばいいか分からない”だけというケースも、実はすごく多いんです。
「言ってくれない彼」と向き合うために、あなたができること
彼が「好き」と言ってくれない。
その一言がないだけで、胸の奥にちいさな不安が生まれること、ありますよね。
「私のこと、本当に好きなのかな」
「もしかして、もう気持ちは冷めてるのかも」
そんなふうに、心がぐらついてしまうのは、あなたが愛にとても素直な人だから。
言葉にしてもらえたら安心できる。
ちゃんと伝えてくれたら、もっと自信を持てる。
その願いは、とても自然で、あたたかいものです。
でももし、彼があなたのことを大切に想っているのに、
それを“言葉”ではなく、別のかたちで伝えているだけだとしたら?
そのことに気づけたとき、きっと心がふわっと軽くなるはずです。
ここからは、彼の沈黙のなかにある“愛の気配”を感じ取り、
あなた自身が少しずつラクになっていけるようなヒントをお届けします。
行動の中に、愛が隠れていることもある
彼がふだん、あなたにどんなふうに関わっているか。
よーく思い出してみてください。
たとえば──
あなたが疲れているときに、そっと飲み物を差し出してくれたこと。
雨の日、「迎えに行こうか?」と連絡してくれたこと。
何気ない日でも、ちゃんとLINEをくれて、あなたの一日を気にかけてくれたこと。
それって、「好きだよ」って言葉にしなくても、ちゃんと伝えようとしてくれているサインなのかもしれません。
「言ってくれない=伝えてくれていない」ではなく、
“言い方が違うだけ”という視点で見てみると、
彼の中にあった愛情が、少しずつ見えるようになってくるかもしれません。
不安になったら、そっと気持ちを伝えてみて
もちろん、言葉で伝えてほしいと願う気持ちは大切にしていい。
ただ、その伝え方を少しだけ変えると、彼にも届きやすくなるんです。
たとえば、
「どうして言ってくれないの?」と責めるのではなく、
「こうしてくれたら嬉しいな」という、あなた自身の気持ちとして伝えること。
たとえば──
「あなたのことが大好きだから、“好き”って言ってくれたら、すごく嬉しいな」
「言葉にしてもらえると、私の心があったかくなるの」
そうやって、“自分がどう感じているか”を伝えることで、
彼も構えずに、あなたの気持ちを受け止めやすくなるんです。
ふたりの「愛のスタイル」を知っていこう
人にはそれぞれ、“愛のコトバ”があります。
あなたは「言葉」で愛を感じる人かもしれない。
そして彼は、「行動」や「時間の共有」で愛を伝えるタイプかもしれない。
どちらが正しいという話ではなくて、
ただ“違い”があるということを知るだけで、関係はうんとラクになるんです。
あなたが彼のスタイルを少し理解しようとして、
彼もあなたの願いに耳を傾けようとする。
その“歩み寄り”の中にこそ、
ふたりだけの、あたたかい愛のかたちが育っていくのだと思います。
言葉がなくても、愛はそこにある。
あなたは、愛されるにふさわしい存在
彼が「好き」と言わないのは、
あなたを想っていないからじゃない。
ただ、その気持ちの“届け方”がちょっと違うだけなのかもしれません。
言葉にしてほしいと願うあなたの気持ちも、
行動で示したい彼の気持ちも、
どちらもまっすぐで、どちらも正解。
大切なのは、「伝えてくれない」にとらわれすぎずに、
“伝わっているもの”に目を向ける力を、あなたが持っているということ。
あなたが彼の行動の中にやさしさを見つけたとき、
そっと自分の想いを言葉にして伝えられたとき、
それは、ふたりの愛だけじゃなくて、
あなた自身への信頼や愛にもつながっていく。
たとえ彼が何も言わなくても、
あなたの中にある愛は、
ちゃんとあたたかくて、美しくて、信じられるものです。
そしてなにより──
あなたは、言葉にされなくても愛されるにふさわしい存在なのだから。