男女3人が近い距離でくっつきあう写真

ポリアモリーとは?多様な愛を選ぶ生き方とパートナーシップ

2024.12.20
この記事のポイント
  • ポリアモリーとは
    すべてのパートナーと合意のうえで、平等でオープンな関係を築く恋愛スタイルです。

  • 浮気や不倫、セカパと何が違うの?
    大きな違いは、「すべてのパートナーが合意していること」と「関係性がオープンであること」という点です。秘密や裏切りではなく、誠実さが関係の基盤となります。

  • ポリアモリーも自由で誠実な恋愛の選択肢
    この記事でも紹介していますが、自由であるがゆえにデメリットや悩みが存在することも事実です。しかし、それぞれのパートナーと平等かつ誠実に向き合える恋愛の形として、ポリアモリーはひとつの選択肢と言えるでしょう。
  • ポリアモリーという言葉を聞いたことはありますか?あまり聞きなれない言葉なので、知らない方もいるかもしれません。
    この記事ではポリアモリーとは何か、どのような考え方なのか、また、メリット・デメリットについて解説します。

    ポリアモリーとは

    ポリアモリーとはギリシャ語で複数を意味する「Poly」とラテン語で愛を意味する「Amor」を組み合わせできた、英語の造語です。直訳すると、複数恋愛や多重恋愛となります。
    恋愛スタイルのひとつで、複数のパートナーと合意の上で、全員と恋愛することをいいます。

    ポリアモリーの基本的な原則

    ポリアモリーは、恋人間の束縛などがなく、自由な恋愛スタイルだと思っている方もいるかもしれません。
    実際はどのような恋愛スタイルなのでしょうか。

    複数のパートナーと合意の上で恋愛関係を結ぶこと

    ポリアモリーとは、相手の了承を得た上で、複数のパートナーと恋愛関係を結ぶことです。
    全員から同意を得ているため、浮気や不倫とは異なります。

    透明性のあるオープンな関係

    ポリアモリーで大切なのは、透明性のあるオープンな関係であることです。
    たとえば、4人と交際している場合、他の人とのデートの予定などを4人全員が知っています。

    お互いを尊重し合ってパートナーシップを結ぶことを大切にしているため、新たに交際する場合やトラブルが起きた場合は、その都度全員が納得するまで話し合ってから解決します。

    自由の代わりに責任が伴う

    恋愛は自由です。その代わり、自由な選択をする代わりに責任が伴います。自分の行動に責任を持たなければなりません。

    ポリアモリーとモノガミーの違い

    ポリアモリーは1人に固執せず、自由に愛や絆を育みます。
    モノガミーは反対で、ひとりの人と愛を深める、一夫一妻制を意味する言葉です。
    日本において、一般的に想像する恋愛スタイルがモノガミーです。

    ポリアモリーと浮気の違いは?

    カフェでカップルが話しながらノートに何かを記している様子

    数名の人と恋愛関係を結ぶことから、「それって浮気なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
    ですが、ポリアモリーは浮気とは明確な違いがあることを知っておきましょう。

    浮気との違いは関係性がすべてオープンなこと

    ポリアモリーと浮気の大きな違いは、関係性が隠されているか、誰に対してもオープンな関係かどうかです。
    とくに、交際相手の存在を知っているかどうかが大きな違いと言えます。

    パートナーや配偶者の理解と合意が必須

    パートナーからの理解と合意の有無も異なります。
    新たに交際する人ができた場合、他のすべてのパートナーに紹介し、合意を得る必要があります。
    ポリアモリーは、パートナーや配偶者の合意なしに交際することはできません。

    ポリアモリーの特徴

    笑顔の男女4人が寝そべって天井に向けて両手を伸ばしている様子

    ポリアモリーは、特定の相手に縛られず、複数のパートナーと交際します。そのため、良好な関係を築くために互いに信頼し、理解しあうことが大切です。

    複数の相手との持続的な関係

    ポリアモリーでは、一度きりではなく、持続的に関係を築き、身体的にも精神的にも深いつながりをもつことが重視されています。
    親密な関係ではありますが、性的関係を目的にしていないという人も多くいるでしょう。

    相手を所有しない

    交際中であっても、皆が対等であり、互いに所有するわけではありません。
    相手を独占したり、束縛することはタブーです。何名と恋愛していても、分け隔てなく愛するという考えです。

    結婚という枠組みに縛られない自由な愛の形

    ポリアモリーは、結婚などの婚姻制度にとらわれる関係性ではありません。
    伝統や社会的なルールではなく、多様な恋愛のスタイルのひとつです。
    どのような人を愛して関係を築くのかは、本人の意思と選択によりさまざまです。

    ポリアモリーの人によくある悩み

    日本では、一夫一妻制のため、ポリアモリーの恋愛スタイルは浸透していません。
    また、聞きなれない恋愛スタイルのため、否定的な人も一定数いるのが現状です。

    カミングアウトしにくい

    カミングアウトしにくいことは、大きな悩みのひとつでしょう。
    とくに日本では、一夫一妻制のため、ポリアモリーの恋愛スタイルをそもそも理解できない人も多くいます。

    また、日本では数人と恋愛的なつながりを持ちながら婚姻関係を結ぶことは法律違反になるため、結婚という形を選択しない人も多くいます。

    周囲から理解されない

    ポリアモリーは新しい概念のため、なかなか世間に浸透していないのが現状です。
    そのため、周囲から理解が得られないこともあるでしょう。

    複数の人と恋愛するという特徴から、浮気や不倫などを疑われてしまうなど、誤解されやすい恋愛スタイルです。
    ネガティブな反応を恐れて、公表を控えるという人も多くいます。

    性に対して開放的だと思われる

    多数の人と身体的・精神的に深い関係を築くため、性に対して奔放だと思われてしまうこともあるでしょう。

    浮気と違うのは、一度きりではなく、長期的に継続した関係であることです。
    相手の合意がない場合は裏切り行為なので、ポリアモリーの人は必ず相手の合意を得ています。

    嫉妬されてしまう

    嫉妬は、数名のパートナーがいると、どうしても避けられないものですよね。
    自分を特別視してほしい、優先してほしいといった独占欲や、捨てられるのではないかと不安に駆られて嫉妬されてしまうことがあります。
    嫉妬を解消するための工夫が大切です。

    パートナーがポリアモリーの人が抱える悩み

    チューリップの花束を抱えて何かを考えている女性

    好きになった相手がポリアモリーだった場合、悩みを抱えることがあります。
    日本ではまだあまり浸透していない考え方だからこそ、周囲の人に相談しにくいこともあるでしょう。

    周囲から理解が得られない

    やはり大きな悩みは周囲から理解が得られないことです。
    自分は理解していても、まだ浸透していない考え方のため、批判されたり、誤解されたりしてしまうこともあるでしょう。
    また、心配されることもあるでしょう。

    全員に理解してもらうことは難しいため、信頼できる人にだけ伝えたり、同じ境遇の人に相談したりするのが一番です。
    理解してくれる人を探して、前向きに捉えてくれる仲間を見つけ、大切にしましょう。

    嫉妬してしまう

    片方が非ポリアモリーの場合、自分以外の人を愛していることを受け入れられず、嫉妬してしまうこともあります。

    恋愛感情があれば、嫉妬や独り占めしたい気持ちが芽生えてしまうこともあるでしょう。
    もし妬みや独占欲が生まれてしまった場合は、しっかりと時間をかけて話し合って、お互いが納得して関係が継続できるようなルールを決めていくことが大切です。

    将来への不安

    パートナーがポリアモリーの場合、将来的に妊娠や出産を考えると、一緒に家庭を築けるのか不安になるでしょう。
    将来的にどのような生活をしたいのか、どのようなことを求めているのか、お互いに話し合い、方向性を確認しておくことが大切です。

    ポリアモリーのメリット・デメリット

    ポリアモリーには、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
    メリット・デメリットを把握した上で、良好な関係性を築きましょう。

    メリット3選

    ポリアモリーとして、パートナーシップを結ぶ上でのメリットはいくつかあります。
    従来の結婚や一対一のパートナーシップと比較し、解説します。

    1:経済的負担が軽減できる

    複数のパートナーをもつことで、生活費などの経済的な負担を分担できます。
    そのため、経済的に安定しやすいでしょう。

    2:子育てに向いている環境

    複数のパートナーが子育てに関わる場合は、役割分担をするなどして子育ての負担を減らすことができるでしょう。
    また、子どもが多くの大人と接することで、偏ることなく、多様な視点で物事を見られたり、考えられたりすることもメリットでしょう。

    3:精神的に安定しやすい

    全員から身体的にも精神的にもサポートが得られるため、精神的に安定しやすいでしょう。
    夫婦の場合、忙しいとなかなか会話ができなかったりしますが、ポリアモリーの場合、他のパートナーが補ってくれることもあります。
    そのため、日頃から不満やストレスをためることなく、孤独を感じることも少ないでしょう。

    デメリット3選

    いいことだけでなく、もちろんデメリットもあります。
    パートナー間での問題だけでなく、ポリアモリーとして生きていく中での難しさもあります。

    1:偏見を受けやすい

    ポリアモリーは、日本ではまだ浸透していない考え方のため、偏見を受けやすいかもしれません。
    公表することで、おかしいのではないか、病気ではないかなど批判を受けることもあるでしょう。

    ただ、多様な価値観を持つことは良いことであり、納得した上での行動であれば、堂々としていて良いことです。

    2:関係維持に時間と労力を要する

    パートナーに優劣はないため、平等に全員が満足するために、時間と労力を要することになります。

    良好な関係を維持するためには、それぞれと話し合い、納得できるような時間をもち、コミュ二ケーションをとり続けなければなりません。
    そのための調整は非常に労力を要することになります。

    3:嫉妬や不安が生じる

    パートナーが多数いることで、嫉妬や見捨てられないのか、愛されているのかと言った不安が生じることもあります。
    不安を解消するためには、真摯に相手に向き合い、他の人とのつながりもオープンにしたコミュ二ケーションが必要です。

    ポリアモリーの関係を良好に築くためのポイント

    関係を良好に維持し続けるために、大切なことはいくつかあります。
    ポリアモリーとの間で重要なポイントを具体的に解説します。

    オープンな関係

    大切なことは、すべてのパートナーの合意です。
    ポリアモリーは全員が納得して合意し、初めて成り立つ関係性です。

    相手のことをオープンに伝え、透明性を大切にすることで不安を軽減できることもあるでしょう。

    事前に境界線を話し合う

    交際しているなかで、情報共有をどの程度するのかはそれぞれ異なります。
    事前に知っておきたい、言いたくない、聞きたくないなど、同じポリアモリーでも感覚の違いがあることは当たり前です。
    それぞれ価値観が異なるため、さまざまな考えがあるでしょう。

    どの価値観も否定せず、全員が合意できることが大切です。
    同じルールをしく必要はないですが、全員が良好な関係性を築けるよう、話し合いの機会をできるだけ多く設けることが大切です。

    合意を必ず得る

    相手の合意がなによりも大切です。

    すべての人と同時に良好な関係を築くためには、一方的に自分の考えや主張を押し付けるのではなく、理解してもらえるよう話し合いを重ねることが必要になります。
    それぞれの人に対して、誠実に向き合うことが基本です。

    相手の気持ちに寄り添う

    ポリアモリーは、すべての人と絆を強め、愛情を広くもっています。
    そのため、他のパートナーとの様子から、相手が嫉妬してしまったり、不安を感じることもあるかもしれません。

    そんなときは、できる限り相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
    自分の気持ちや考えを伝えた上で、相手が安心できるように行動で示すなど、工夫しましょう。

    話し合いを重ねる

    他の相手を大切にしている様子を見たり、知ったりして、孤独を感じたり、不安から嫉妬してしまったりすることが多くあります。
    嫉妬してしまったら、まずはパートナーと話し合うことが大切です。自分の気持ちを我慢したままでは、お互いを理解しあえません。

    自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを聞き、お互いの想いを共有し向き合うことが大切です。

    個性を尊重したコミュニケーションを心がける

    価値観や恋愛スタイルは人によりさまざまです。
    自分と違った考え方を認め、尊重しましょう。

    意見が合わないことがあっても、相手を否定するのではなく、受け止めるようなコミュ二ケーションを心がけましょう。

    ポリアモリーを通してさまざまな価値観を知ろう

    ガラス越しの女性が白い絵の具でいくつかのハートマークを描く様子

    ポリアモリーはひとつの恋愛スタイルです。
    どのような恋愛をするのか、選択するのかは個人の自由です。

    現代は、多様性を重視するとさまざまな場面で耳にすることが増えましたが、世間一般での「あたりまえ」に悩んだり傷ついたり、苦しんだりする人がいます。

    否定も肯定もせず、多様な選択の中のひとつを選んでいる人がいるということを知っておきましょう。

    この記事を書いた人

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    オドリバ編集部

    「オドリバ」は女性の悩みに寄り添うメディア。性・カラダ・こころをメインテーマに、ライフステージを駆け上がる女性たちがひと休みできる「踊り場」のように、こころの拠り所になることを目指し誕生しました。

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