「また彼氏にあたってしまった…」生理前になると、普段は気にならない些細なことにイライラする女性は少なくありません。
職場の人や友人とは普通に過ごせるのに、彼氏にだけ感情をぶつけてしまい、後悔したり自己嫌悪に襲われたりする人もいるのではないでしょうか。
この記事では、生理前に彼氏だけにイライラしてしまう理由と、この時期をうまく乗り越えるための対処法を紹介します。
生理前、彼氏だけにイライラするのはなぜ?PMS・PMDDとの関係
「生理前になると、なぜか彼氏にだけイライラしてしまう」そう感じるのは、あなたの性格や彼氏に対する愛情の問題だけではありません。
多くの場合、生理前の気分の波は、PMS(月経前症候群) や PMDD(月経前不快気分障害)が関係していると考えられます。
PMS・PMDDとは、生理前に起こる心身の不調のことです。
排卵後から生理前にかけて、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスが大きく変化することで、以下のような症状を引き起こします。
- イライラ・気分の落ち込み・不安などの精神症状
- 頭痛・むくみ・乳房の張りなどの身体症状
日本では、80〜90%の女性が何らかのPMS・PMDDによる症状を経験するとされており、決して珍しいことではありません。
特に、自分でもコントロールできないくらいのイライラがある場合、PMDDが関与している可能性があります。
PMSやPMDDについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみましょう。
生理前、彼氏だけにイライラをぶつけてしまう心理的な理由
PMSやPMDDなどのホルモン変化による影響がある一方で、生理前にイライラの矛先が「彼氏だけ」に向かうのは、心理的な要因も深く関わっていると考えられます。
心理的に安全だと感じ、甘えられる存在だから
彼氏にだけイライラしてしまう背景には、「甘え」が働いていることがあります。
人は、心理的に安全だと感じる相手に対し、より本音や感情を出しやすくなります。「この人なら自分の気持ちを受け止めてくれる」「多少感情的になっても、関係が壊れることはない」という存在だからこそ、無意識に感情のはけ口になってしまうのです。
自分のことを理解してほしいという期待があるから
生理前、彼氏に対してイライラしてしまうのは、「理解してほしい」「寄り添ってほしい」という気持ちが、いつも以上に強くなっていることも考えられます。
「なんで私がこんなにつらいのに、いつも通りに接してくるの?」 「LINEの返事が素っ気ない。私の気持ちを分かってくれていない」こうした思いは、彼氏への期待から生まれます。
「私の一番近くにいる人なら、言葉にしなくても私の状態に気づいてくれるはず」「特別扱いしてくれるはず」と、無意識に期待しているのです。
しかし、男性は女性ほど相手のちょっとした変化を察知することが得意ではありません。また、生理前の女性の「気分の波」を理解するのは困難でしょう。
この「期待と現実のギャップ」がイライラを生み出し、彼氏に向けられてしまうのです。
ありのままでいられる安心感があるから
彼氏にだけイライラをぶつけてしまうのは、あなたが彼を心から信頼し、安心できる存在として認識しているからだといえます。
職場の人や友人の前では、感情を表に出すことで関係が悪化したり、周囲からの評価が下がったりする可能性があります。そのため、こうした場では無意識に「社会的な仮面」をかぶっていることも珍しくありません。
一方で、彼氏の前では「ありのままの自分でいられる」という安心感があり、生理前の不安定な時期に、この安心感が裏目に出ることがあるのです。
生理前、彼氏にだけイライラする場合の対処法
ここからは、生理前のイライラに対処する具体的な方法をご紹介します。
自分の生理周期を把握し、彼氏と共有する
まずは、スマホのアプリやカレンダーを使って生理周期を記録し、自分の「イライラしやすい時期」を把握しましょう。把握した周期を事前に彼氏と共有しておくと、感情をぶつけてしまう前に予防線を張ることができます。
例えば、「◯日ごろから◯日頃は、ホルモンの影響で気持ちが不安定になりやすいんだ。もしイライラしてたら、今はその時期なんだな、って思ってもらえるとうれしいな」などと伝えておくと、彼氏も心の準備ができ、トラブルを回避しやすくなるでしょう。
ただし、彼氏に理解を求めすぎるのではなく「ごめんね」「ありがとう」の気持ちを伝えることも大切です。不調の時こそ、素直な気持ちや悩みを打ち明けることでお互いの理解を深め、信頼関係を築くチャンスと考えてみましょう。
日記をつけてイライラのパターンを把握しておく
「いつ、どんな状況で、どの程度イライラしたか」「どんな症状があったか」を記録することで、自分の心身が変化するパターンが見えてきます。
彼氏に対するイライラをはじめ、自分に起きている症状を日記に記録して、客観的に把握してみましょう。例えば以下のように、簡単なメモ程度でも十分です。
- 日付と生理周期
- イライラの強さ(数字で評価)
- きっかけ(LINEの返信がなかった、など)
- そのときの対応(言い返した、など)
- 体の症状(むくみ・頭痛、など)
パターンがわかれば「今はイライラしやすい時期だから、冷静に対応しよう」と意識して行動しやすくなります。
また、記録を振り返って「あのときのイライラは生理前に起こった」などと客観的に理解でき、自分を責めすぎずに済むようになるでしょう。
生活習慣を整えてホルモンバランスを整える
生活習慣が整うとメンタルが安定しやすく、彼氏へのイライラも防ぎやすくなるでしょう。
食事の工夫
ホルモンバランスを整えるためには、炭水化物やたんぱく質、ビタミン、ミネラルなど、バランスの良い食事を摂ることが大切です。
アルコールやカフェインは一時的に気分を高揚させますが、後から気分が落ち込んだり、睡眠の質が下がったりすることがあります。特に生理前は、こうした刺激物の摂取量を控えめにしましょう。
睡眠と運動の工夫
十分な睡眠は、感情の安定に欠かせません。意識してリラックスできる時間を作ったり、適度な運動を取り入れたりしましょう。
- 寝る2時間前からスマホを控える
- 寝室にラベンダーのアロマを使う など
ヨガやストレッチ、散歩などの軽い運動は、ストレス解消とホルモンバランスの調整に効果的です。
気分転換を心がける
イライラしやすい時期には、自分の好きなことをして気分転換を心がけるのも有効です。たとえば、好きな音楽を聴いたり、お気に入りのカフェでゆっくり過ごしたり、ぬるめのお風呂にゆっくり入ったりと、自分がリラックスできることを優先してみましょう。
イライラしやすい時期だからこそ、自分の心と体を労わる時間を意識的に作る必要があります。気持ちが落ち着くと、彼氏とおだやかに接しやすくなります。
生理前は彼氏と会わないことも検討する
生理前、イライラしてどうしても気持ちが不安定なときは、あえて彼氏と会わないようにするのも1つの方法です。
「生理前はイライラしてあなたに感情をぶつけてしまうから、一人の時間をとって気持ちを落ち着けたい」「気持ちが落ち着いたら連絡するね」と、素直に伝えてみましょう。
「距離を置くなんて冷たいかも」と思うかもしれません。しかし、無理に会ってイライラをぶつけてしまうよりも、お互いにとって良い結果につながりやすくなるでしょう。
婦人科を受診してピルや漢方薬などを処方してもらうのも有効
生理前の強いイライラがつらいとき、「性格の問題だから」と我慢する必要はありません。症状が日常生活や恋人との関係に影響を及ぼしているなら、医療的なサポートを検討するのも1つの方法です。
ホルモン治療(低用量ピルなど)
PMSやPMDDの治療として、低用量ピルが処方されるケースは少なくありません。
ホルモンの変動を安定させることで、気分の波やイライラを軽減できる可能性があります。
ピルに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみましょう。
漢方薬
気分の落ち込みやイライラ、不安感が強い方には、漢方薬が有効な場合もあります。
中でも「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、精神不安やいらだちをやわらげる漢方として知られ、婦人科でもよく処方される薬のひとつです。
実際、ある患者さんから「イライラが劇的によくなり、涙が出るほどうれしかった」と喜ばれたケースもあります。
「ホルモン治療はちょっと抵抗がある…」という方は、こうした体質改善を目的とした方法も検討してみるとよいでしょう。
生理前のイライラは、彼氏と一緒に乗り越えよう
生理前に彼氏にイライラしてしまうのは、あなたの性格や愛情の問題だけとは限りません。気を許している相手だからこそ感情が出やすく、さらにホルモンバランスの影響も重なることで、気持ちが大きく揺れやすくなるのです。
とはいえ、彼氏にも戸惑いや悩みがあるかもしれません。お互いを思いやり、丁寧にコミュニケーションを重ねながら、生理前の時期を一緒に乗り越えていきましょう。

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