2026年2月から、緊急避妊薬(アフターピル)は一定の条件を満たす薬局・ドラッグストアで処方箋なしで購入できるようになりました。これまで主に婦人科の受診が必要だったため、以前よりアクセスしやすくなっています。とはいえ、どの薬局でも購入できるわけではなく、販売場所や購入方法には条件があります。
この記事では、薬局でアフターピルを処方箋なしで購入する流れやよくある質問をわかりやすく解説します。
そもそもアフターピルとは?

アフターピルには、レボノルゲストレルというホルモン剤が含まれています。セックスの後72時間以内に1回内服することで排卵を抑制し、妊娠を防止することが期待できます。妊娠阻止率は90.8%と報告されており、早めに服用するほど高い効果が得られます。そのため、リスクのある性行為があった場合は、できるだけ早く行動することが重要です。
ただし、アフターピルは100%避妊できるわけではありません。また、クラミジアや梅毒などの性感染症の予防効果はないことにも注意が必要です。性感染症が心配な場合は、別途医療機関での検査を検討しましょう。
処方箋なしでアフターピルを薬局で購入するための条件
薬局でアフターピルを購入し内服するには、以下のような条件があります。これらに当てはまる人は薬局では購入できないため、病院に受診をしましょう。
- 本人が来店できない
- セックスの後72時間を超えている
- これまでに緊急避妊薬などのレボノルゲストレルを含む医薬品を服用してアレルギーが出たことがある
- 肝臓病の診断を受けている
- 現在妊娠している
薬局でアフターピルを処方箋なしで購入する流れ

ここでは、処方箋なしでアフターピルを購入する際の具体的な流れをステップごとに解説します。
アフターピルの取り扱い店舗を探す
すべての薬局・ドラッグストアでアフターピルを取り扱っているわけではありません。そのため、まずはアフターピルの取り扱い店舗を探す必要があります。また、在庫がない場合もあります。
リスクのある性行為から時間が経過するほど効果が低下するため、事前に電話やウェブで問い合わせを行い、在庫があるか・購入できるかを確認してから来店するようにしましょう。
厚生労働省が公表している販売可能な薬局の一覧も参考にしてください。
薬局で購入の希望を伝える
薬局またはドラッグストアのスタッフや薬剤師に「アフターピルを購入したい」と伝えます。口頭で伝えにくいと感じる場合は、スマートフォンの画面にその旨を表示して見せるなどの方法でも対応してもらえます。
薬剤師により確認する
薬剤師から問診が行われます。確認される主な内容は以下の通りです。
- 最終月経の日付と月経周期
- リスクのある性行為の日時(72時間以内かどうかの確認)
- 過去の病歴やアレルギーの有無
- 現在服用中の薬(他の薬との相互作用を確認するため)
これらをあらかじめ把握しておくとスムーズです。特に、性行為の日時は正確に把握しておきましょう。
薬剤師の前で内服する
確認が完了したら、薬剤師の前で内服します。持ち帰ったり、他人に譲渡することは認められていません。内服後2時間以内に吐いてしまった場合は、薬が十分に吸収されていない可能性があるため、速やかに病院を受診しましょう。
薬局でアフターピルを購入する前に知っておきたい注意点

薬局でアフターピルを購入する場合、いくつかの注意点があります。事前に確認しておきましょう。
セックスして72時間以上たった後は内服できない
セックスから72時間(3日)以上が経過した場合、薬局での内服はできません。ただし、性行為から120時間(5日)以内であれば、医療機関で別の緊急避妊法を提案されることがあります。72時間を超えてしまった場合でも、あきらめずに医療機関に相談することをお勧めします。
内服した3週間後に必ず妊娠検査をする
アフターピルを内服したからといって、必ずしも妊娠を防げたとは限りません。内服から3週間後に、市販の妊娠検査薬を使用するか、婦人科を受診して妊娠の有無を確認しましょう。もし妊娠検査薬が陽性を示した場合は、早めに産婦人科を受診してください。
内服した後に出血があっても100%避妊できたとはいいきれない
アフターピルを内服した後、7日以内に出血が起こることがあります。その後の月経は早まったり遅れたりすることがありますが、月経が7日以上遅れる可能性は約5%と言われています。
この出血は必ずしも生理とは限りません。ホルモンバランスの変化による不正出血であったり、まれに妊娠初期の着床出血であることもあります。そのため、出血があったからといって避妊に成功したと判断することはできません。内服から3週間後には必ず妊娠検査薬を使用するか、病院を受診するようにしてください。
アフターピルの薬局販売について、よくある質問
アフターピルについてよくある質問をまとめました。
いくらくらいかかる?
取り扱う薬局によって多少の差がありますが、一般的に7,000円程度です。アフターピルは保険適用外のため、全額自己負担となります。在庫の問い合わせの際に、費用についても一緒に確認しておくと安心です。
薬局と病院で処方されるアフターピルに違いはある?
錠剤の成分・大きさ・1回あたりの用量は変わりありません。費用は場所によって異なる場合があります。緊急性が高い場合は、開院時間や費用なども考慮しながら、早めに入手しやすい場所を選びましょう。
アフターピルは本人以外でも買える?パートナーや親の同意は必要?
本人以外の購入はできません。一方で、パートナーや親の同意は不要です。未成年であっても、本人が来店すれば購入・内服することができます。
経口避妊薬内服中(ピル)でもアフターピルを服用できる?
低用量ピルを正しく服用できている場合は、アフターピルを併用する必要はありません。しかし、飲み忘れがある場合などは内服してもよいでしょう。その場合、アフターピルの内服後12時間以内にピルの服用を再開しましょう。内服後は消退出血(ホルモンの変化による出血)が遅れることがあります。心配な場合は婦人科を受診してください。
何度でも内服できる?
必要があれば、同じ月経周期中に繰り返し内服することはできます。ただし、不正出血などの副作用リスクは高まり、低用量ピルの継続服用と比べると妊娠率も高くなります。そのため、長期的な避妊を考えるならば、低用量ピルや子宮内避妊器具(IUD)などの継続的な避妊法を婦人科で相談することをお勧めします。
ドラッグストアでも買える?
研修を受けた薬剤師が勤務していれば、購入可能です。ドラッグストアによっては薬剤師が常駐していない時間帯もあるため、事前に確認してから来店しましょう。
土日祝日や深夜でも対応してくれる薬局はある?
対応できる薬剤師が勤務していれば販売可能です。深夜や休日に対応している薬局は限られますが、事前に電話で確認することで無駄な移動を防ぐことができます。
近くに販売店舗がない場合はどうすればいい?
近くに対応薬局がない場合は、オンライン診療を検討しましょう。医療機関によっては24時間以内の配送など、柔軟に対応してくれることがあります。ただし、オンライン診療の場合は実際に手元に届くまで時間がかかります。時間を無駄にしないよう、早めに調べて手配しましょう。
アフターピルを薬局で処方箋なしで購入したい方は早めの行動を
避妊をしなかったときや避妊に失敗したときは、アフターピルの服用を早めに検討することが大切です。効果は時間とともに低下するため、悩んでいる時間が長くなるほど選択肢が狭まります。現在は条件を満たせば、特定の薬局で処方箋なしでも購入できるため、早めにアクセスしましょう。
また、同じようなリスクが繰り返される場合は、アフターピルだけに頼るのではなく、低用量ピルやコンドームの正しい使用、子宮内避妊器具など、自分に合った継続的な避妊方法について婦人科で相談することが、長期的な安心につながります。
参考文献
- 厚生労働省|要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧
- 第一三共ヘルスケア|ノルレボ
- アリナミン製薬株式会社|レソエル72
- 公益社団法人日本産科婦人科学会|産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023 CQ404
