ベッドで笑い合うカップル

生理中に性行為してもいい?知っておきたいリスクと上手な断り方

2024.06.18
この記事のポイント
  • 生理中の性行為は問題ない
    生理前や生理中に性欲が増すのは、ホルモンの変動などが要因で自然な現象です。しかし、生理中でも妊娠する可能性はあるため、妊娠を望まない場合は避妊対策は必須です。

  • 生理中のリスクを理解する
    生理中は体調が万全ではないため、性感染症や病気などのリスクも高まります。妊娠の可能性だけでなく、これらのリスクを正しく理解しておくことが大切です。

  • 生理中の性欲との付き合い方
    生理中は無理をせず、自分やパートナーと合った方法で性欲を管理し、身体に優しく過ごすことが重要です。
  • 生理中にパートナーから性行為を誘われたとき、あなたならどうしますか?
    気にせずOKする方もいれば、断る方もいるでしょう。

    実は、生理中に「なんだか無性にしたくなる!」と感じている女性は多いようです。一方で、生理中に性行為しても大丈夫なのか不安を抱いている女性も少なくありません。

    この記事では、生理中の性行為のリスクについて解説します。

    生理中の性行為はあり?なし?

    生理中の性行為の是非については、意見が分かれるところですよね。とあるアンケートでは半数以上の女性が生理中に「したくなる」と回答しています。
    個人差はありますが、生理中に性欲が増す女性は多いと言えそうです。

    しかし、「生理中はしたくなるけど、我慢する」という女性も少なくありません。「ベッドが汚れる」、「感染症が心配」などといった理由から、生理中の性行為は控える方も多いようです。生理痛がつらくて性行為なんて考えられないという女性もいるでしょう。

    生理中の性行為に関しては、女性はもちろん男性側の意見も分かれます。パートナーが生理中でも抵抗がない場合はするという方もいます。パートナーに抵抗がある場合は、生理中はセルフプレジャーで我慢するという方もいるようです。
    生理中の性行為やセルフプレジャーは、絶対にしてはいけないことではありません。
    ただし、リスクも伴うため、正しい知識が必要です。

    生理中に性欲が増す理由とは?

    生理直前や生理中は、なんだか無性にムラムラすると感じたことはありませんか?「なぜ、こんなに性欲が抑えられないの?」と不思議に感じている女性もいるでしょう。

    実は、女性の体の仕組みを考えると、生理中に性欲が増すのは不思議なことではありません。生理中に性欲が増すのはなぜか、理由を一緒に確認してみましょう。

    生理周期とホルモンバランスの関わり

    生理から次の生理までの女性ホルモンの変動図

    性欲とホルモンバランスは、大きく関わっていることが考えられます。特に、女性の生理周期とホルモンは密接に関わっており、女性ホルモンであるエストロゲンは生理前に減少し、生理に向けて少しずつ増加しながら排卵時にピークを迎えます。また、生理中は男性ホルモンであるテストステロンが僅かながら増加傾向です。

    排卵前後になると、髪や肌の調子が良いと感じる女性は多いのではないでしょうか?エストロゲンには、髪や肌にツヤ・ハリを与えたり、膣が濡れやすくなったりなど、異性を惹きつける女性らしい身体作りを促進する働きがあります。排卵前後は、より良い精子をゲットするための女性の「狩り」期間とも言えるでしょう。

    加えて、生理中に増加傾向にあるテストステロンは、性衝動を高める働きがあり、生理中に性欲が増す要因と考えられています。

    心理的な安心感

    生理中のムラムラは、ホルモンバランスの影響だけとは限りません。心理的な要因も影響している可能性があります。

    妊娠を望んでいない場合、生理が来たことで妊娠していないことが明確となり、安心感が生まれます。また、「生理中は妊娠のリスクが低い」という先入観により、心理的なゆとりを生み出すことも考えられるでしょう。

    しかし、実際は生理中でも妊娠する可能性はあるため注意が必要です。

    不快感を軽減するための脳の働き

    生理前や生理中は、腹痛や腰痛、気持ちの落ち込みなどのさまざまな不快な症状が現れ、憂鬱になる女性は多いでしょう。

    生理中のさまざまな不快な症状を軽減するために、脳は神経伝達物質であるエンドルフィンを求めると言われています。エンドルフィンは、脳内麻薬ともいわれ、ストレスを軽減させたり気持ちを落ち着かせたりなどの作用があります。

    エンドルフィンは、オーガズムを感じた際に放出されることから、本能的に性欲を高めて、生理中の不快な症状を軽減させようとしているのではないかと考えられています。その結果、生理中の性欲を高める場合があるでしょう。

    生理中の性行為に潜むリスクとは

    患者の対面でカルテを書く女性医師の手元

    生理中の性行為に関して間違った認識も多く、漠然とした不安を感じている女性も多いのではないでしょうか?

    実際に生理中の性行為には、多くのリスクがあります。生理中の女性の身体はとてもデリケートです。自分の身体を守るためにも、正しい知識を身につけましょう。

    【1】妊娠の可能性がある

    生理中であっても性行為を行った場合、妊娠する可能性はゼロではありません。「生理中の性行為は妊娠しない」というのは、間違った情報です。妊娠を望んでいない場合は、妊娠する可能性があることをしっかり理解しておくことが大切です。

    特に、生理周期が不安定な方は、いつ排卵が起こるのかを予測するのは難しいでしょう。生理周期が定期的な方であっても、性行為が刺激となって不定期に排卵することも考えられます。生理が終わりかけのころは、精子が長生きしたり、排卵が早まったりという懸念もあるため注意が必要です。

    【2】性感染症

    生理中は、膣周辺に多くの血液が集まり充血しています。膣壁も子宮内膜と同じようにはがれやすくなっており、普段よりも傷つきやすい状態です。いつも通りの性行為であっても、少しの刺激で膣内が傷ついてしまうおそれがあります。

    膣内が傷ついた場合、傷口からウイルスや細菌などが侵入し、感染症につながる可能性があります。万が一、傷つき出血しても、生理中の経血により、気づくことが困難であることも厄介な点です。

    感染症にはさまざまな種類があり、中には血液を介して伝染するものもあります。生理中の性行為は、女性男性ともに性感染症のリスクが高まることをしっかり理解しておくことが大切です。

    【3】子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)

    生理中の性行為で懸念されるリスクの1つが、子宮内膜症です。子宮内膜症とは、本来子宮内部でできる内膜組織が、子宮以外の部分にできてしまう病気のことです。子宮内膜症の症状は個人差が大きいですが、生理痛や不妊症の原因になるといわれています。

    生理中の性行為によって、本来排出されるはずの経血が子宮内からお腹の中に逆流するおそれがあります。性行為中にオーガズムが起きると子宮はバルーン現象という子宮収縮を起こし、逆流しやすくなると指摘されています。

    子宮から卵管に月経血と一緒に雑菌などが運び込まれると、子宮内膜症や感染症になるリスクが高まり大変危険です。

    【4】骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)

    生理中の性行為による細菌感染が原因となり、骨盤腹膜炎を発症する可能性もあります。骨盤腹膜炎とは、お腹を覆っている腹膜が炎症を起こすことです。

    骨盤腹膜炎による症状は、腹部の鈍痛や圧迫することで鋭い痛みを伴うことが多いです。手術が必要になるケースもあるため、十分注意しましょう。

    【5】不妊症につながる可能性も

    生理中の性行為により、経血が逆流することで卵管に炎症が起こり、卵管炎を引き起こすことも考えられます。卵管炎の主な原因は、性感染症の原因菌であるクラミジアや淋菌です。

    卵管炎は炎症が軽ければ、多少おりものが増加する程度で症状がほとんど出ないのが特徴です。無自覚のまま発症しているというケースは少なくありません。

    卵管炎は不妊症につながる可能性がある重大な病気です。生理中の性行為により起こり得るリスクとして、しっかり把握しておきましょう。

    【生理中の性行為】パートナーへの上手な断り方

    パートナーからの誘いを断ってギクシャクしたくない…などといった理由から、無理をしてしまう女性は少なくありません。しかし、大切にすべきなのはあなた自身です。生理で性行為できないからといって、パートナーからあなたへの愛情が冷めることはありません。

    とはいえ、パートナーからの誘いに理由も言わずに、ただ拒否してしまうと傷つけてしまうことも考えられます。パートナーを傷つけずに上手に断るには、どうしたらいいのでしょうか?

    素直に理由を伝える

    落ち込む女性と肩を抱き慰める男性の後ろ姿

    パートナーに生理中であることを言いにくいと感じる女性は少なくありません。ストレートに、「生理中」であることを伝えるのが一番分かりやすいのではないでしょうか?生理中であれば、仕方がないこととスムーズに受け入れてくれる男性は多いはずですよ。

    もし、「生理」という言葉を使うことに抵抗がある場合は、「女の子の日」「あの日」「ブルーデイ」など、別の言い方で伝えるのもおすすめです。

    前もってパートナーに伝えておく

    お互い気まずい思いをしないためにも、断るタイミングも重要なポイントです。誘われてから断るのではなく、前もってパートナーに生理中であることを伝えておきましょう。

    男性側としても、直前に断られるのはガッカリ度が大きいはず。前もって生理中であることが分かっていれば、拒否されてガッカリすることもありません。きっと、「事前に知っておきたい」という男性も多いのではないでしょうか?

    生理中の性行為について、普段からパートナーと話し合っておくといいでしょう。

    はっきり生理中であると伝えにくいという場合は、「今日はお腹が痛い」「身体がだるい」など、さり気なく自分の体調の悪さなどをアピールして、察してもらえるようにするのもおすすめです。パートナーも「今夜は誘わないほうがいいかな」と心の準備ができますよ。

    月経管理サービスやアプリを活用する

    月経管理サービスやアプリなどのフェムテックアイテムを賢く活用するのもおすすめです。生理周期を把握したり、自分の体調を管理するだけでなく、妊活のサポートや生理の日をなるべく心地よく過ごすためのコンテンツも豊富です。

    月経管理サービスやアプリの中には、自動でパートナーに体調や生理日を共有できるものもあります。

    ソフィ 生理管理アプリ

    生理の状態や体調を記録することで、体質タイプの診断が可能です。体質タイプや体調に合わせて、生理痛やPMSなどを軽減するサポートが受けられます。きれいなデザインとシンプルな操作性が魅力です。
    ソフィはこちら

    ケアミー PMSの予測・共有アプリ

    生理開始日を予測し、生理開始日・終了日を記録できるだけでなく、LINEでパートナーに通知してくれる機能もあります。
    ケアミーはこちら

    生理中の性欲と上手に付き合う方法

    生理中の性行為はリスクを考慮すると、できれば控えた方がいいでしょう。しかし、生理中に高まる性欲が抑えられない!というときもありますよね。

    ここでは、生理中の性欲を上手に解消する方法を紹介します。自分に合った方法を見つけて、生理中の性欲を解消しましょう!

    スキンシップを楽しむ

    挿入はしないでスキンシップを楽しむのも1つの方法です。女性がオーガズムに達したり、激しいピストンを行うことだけがセックスではありません。お互い裸になって抱き合ったり、たっぷりキスをしたり、ふたりの時間を楽しむ方法はたくさんあります。

    ヨガをする

    生理中の高まる性欲を解消するのにおすすめなのがヨガです。ヨガは穏やかな動きで体内の血流を整え、生理中の大敵である冷えやむくみを予防するのにも最適です。生理時の不調の緩和も期待できます。

    アロマでリラックス

    生理中の不快な症状により、動くことさえ煩わしいと感じることもありますよね。そんなときは、アロマでリラックスするのもおすすめです。

    特にマジョラムのアロマは、性欲を抑えるだけでなく、気持ちを落ち着かせ不眠改善の効果も期待できます。自分が好きと感じる香りを楽しんでリラックスした時間を過ごしましょう。

    生理が終わったら、思いっきり楽しみましょう!

    生理中に性欲が高まるのは女性の身体のしくみとしては自然な現象です。しかし、生理中の性行為は、妊娠や性感染症などさまざまなリスクが潜んでいます。

    生理中の性欲は、パートナーとのスキンシップやヨガ、アロマなど自分に合った方法で解消して、生理が終わったら思いっきり楽しみましょう!

    この記事を書いた人

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    オドリバ編集部

    「オドリバ」は女性の悩みに寄り添うメディア。性・カラダ・こころをメインテーマに、ライフステージを駆け上がる女性たちがひと休みできる「踊り場」のように、こころの拠り所になることを目指し誕生しました。

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