トレーニングウェアを着用した女性が4人並ぶ姿

女性の健康をサポート!フェムテックを活用した骨盤底筋ケア

2024.10.16
この記事のポイント
  • 骨盤底筋とは
    骨盤や骨盤まわりの臓器を支え、排泄のコントロールや姿勢を保つためのとても重要な筋肉です。

  • 骨盤底筋が緩むのはなぜ?
    男女ともに加齢や肥満などの影響がありますが、女性は特に妊娠・出産による骨盤周りへの大きな負担や男性よりも多くの臓器を支えることからゆるみやすいと言えそうです。

  • おうちで簡単に鍛えられる!
    呼吸と使う筋肉を意識するだけの「ながら体操」や、スマホ連動型のフェムテクグッズで簡単かつ効果的に骨盤底筋を鍛えることができます。
  • 骨盤底筋は骨盤まわりを支える大切な筋肉です。
    女性は、妊娠や出産、加齢により、この骨盤底筋がゆるむことがあります。
    その結果、尿漏れなどのトラブルに悩む人が多くなってきています。

    この記事では、骨盤底筋の役割と、フェムテックを活用した骨盤底筋を鍛えるトレーニング方法をご紹介します。ぜひ、無理なく取り入れられるものから始めてみましょう。

    骨盤底筋の役割は?

    骨盤底筋の説明図

    骨盤底筋とは、骨盤の下(底)にある筋肉です。複数の筋肉からできていることから、骨盤底筋群とも呼ばれます。
    骨盤底筋は体の臓器を下から支えるだけでなく、さまざまな役割があります。

    排泄のコントロールをする

    骨盤底筋は排泄のコントロールをします。
    骨盤底筋は尿道や肛門、膣などを動かすときに使われ、特に力を入れることで尿道を締め、尿漏れを防ぐ役割があります。

    しかし、骨盤底筋の筋力が低下すると、尿道を締める力も弱くなります。その状態でお腹に力の入る動作をすると、尿漏れを引き起こしやすくなります。
    たとえば、咳やくしゃみ、重いものを持ち上げるなどの動作時には、尿漏れをしやすくなるのはそのためです。

    臓器を支える

    骨盤底筋は、男女ともに膀胱や直腸などを支える役割があります。骨盤の底には骨がないため、骨盤底筋がハンモックのように臓器を支えています。

    男性も女性も臓器を支える大事な役割がありますが、とくに女性は、膀胱・子宮・大腸と3つの臓器を支えているため、非常に大切です。

    姿勢を支える

    骨盤底筋は、腹筋や背筋などの他の筋肉とともに体を安定させる重要な役割をしています。
    その骨盤底筋がゆるむと骨盤が不安定になり、体幹が安定しないため、姿勢を保ちにくくなると言われています。

    その結果、反り腰や猫背など、見た目に変化が現れることもあるでしょう。腰痛や肩こりなどの日常的な不調につながることも少なくありません。

    骨盤底筋がゆるむ原因は?

    腰に手を当てている女性の下半身

    骨盤底筋は姿勢や排泄など、日常生活にかかわる非常に大切な筋肉です。骨盤底筋がゆるむ原因はさまざまなものがあります。
    ここからは、骨盤底筋がゆるむ原因について解説します

    妊娠・出産

    まずは妊娠・出産です。
    妊娠により子宮内で赤ちゃんが大きくなると、体を下から支える骨盤底筋に負担がかかります。

    出産では、とくに経膣(けいちつ)分娩の場合、赤ちゃんが生まれるために筋肉が約3倍に引き伸ばされるといわれています。
    経膣分娩とは、赤ちゃんが膣を通って生まれてくる一般的なお産のことで、それ以外は帝王切開があります。

    骨盤や筋肉などに大きな負担がかかることで、ゆるみやすくなってしまうのです。

    加齢

    加齢により筋力が衰えることも、骨盤底筋がゆるむ原因です。男性の骨盤底筋は、膀胱・直腸の2つの臓器を支えていますが、女性は膀胱・直腸・子宮と3つの臓器を支えています。
    そのため、男性に比べると負荷が大きく、骨盤底筋がゆるみやすいのです。

    肥満

    肥満も骨盤底筋がゆるむ原因です。
    過剰に脂肪がついていると、体の中から骨盤底筋を圧迫している状態になります。
    肥満が原因の場合は、骨盤底筋への負担を減らすためにも、生活習慣を整えることが大切です。

    力仕事

    重いものを持ち上げるなどの力仕事により、腹圧が一気にかかると骨盤底筋にも負担がかかります。
    骨盤底筋に負担がかかり続けると、骨盤底筋がゆるむ原因になってしまうため、無理はしないようにしましょう。

    骨盤底筋がゆるむとどうなる?

    骨盤底筋に負担がかかり続けると、骨盤底筋がゆるんでしまいます。
    骨盤底筋がゆるむことで、私たちの日常生活にどのような影響があるのでしょうか。

    尿漏れする

    骨盤底筋のゆるみによる影響で一番大きいのが、尿漏れです。

    尿漏れにはさまざまな種類がありますが、骨盤底筋のゆるみと関係があるとされているのは、「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」です。

    腹圧性尿失禁は、くしゃみや咳、重いものを持ち上げるなど、お腹に力が入る動作をした時に尿漏れしてしまうタイプです。腹圧に耐えきれず、尿漏れを起こしてしまいます。

    切迫性尿失禁は、急に強い尿意が起こり、トイレまで間に合わずに尿漏れしてしまうタイプです。特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまうために起こります。
    女性の場合、子宮脱などの骨盤臓器脱が原因になることもあります。

    尿漏れは、外出や仕事など日常生活への影響も大きいでしょう

    骨盤臓器脱になる

    骨盤臓器脱とは、骨盤底筋がゆるむことで体の臓器を支えられなくなり、膣や子宮などが下がってしまう女性特有の病気です。
    骨盤臓器脱になると、腰痛や何かがおりているような違和感、急な尿意、尿が漏れやすいなどの症状があります。

    とくに、妊娠・出産経験のある女性はリスクが高い病気です。

    姿勢が変化する

    骨盤底筋がゆるむと姿勢も変化します。
    骨盤底筋のゆるみにより骨盤や背骨などが不安定になり、姿勢を維持することが難しくなります。
    その結果、反り腰になったり、バランスをとろうと猫背になったりします。

    また、ぽっこりお腹になりやすいなど、姿勢だけでなく見た目の変化にもつながるでしょう。

    骨盤底筋を鍛える方法は?

    ピラティスの機械を使ってトレーニングする若い女性

    骨盤底筋がゆるむと、さまざまな影響があります。日常生活にも大きな影響があるため、できれば早いうちから骨盤底筋を鍛えることがおすすめです。
    ここからは、骨盤底筋を鍛える方法をいくつかご紹介します。

    骨盤底筋トレーニングをする

    骨盤底筋は筋肉のため、トレーニングで鍛えることができます。
    骨盤底筋をトレーニングする方法は、「ケーゲル体操」とも呼ばれます。ここからは、トレーニングの方法を具体的にいくつかご紹介します。

    おしりの穴を締める

    骨盤底筋トレーニングで簡単なものは、呼吸に合わせておしりの穴をキュッと締めるような動作です。鼻からゆっくり息を吸い、口から息をしっかり吐きながら、お尻の穴を締めるように力を入れます。
    「吐いて締める・吸ってゆるめる」を意識しましょう。お腹やお尻など、他の筋肉に力が入っていると効果を感じにくいため、おしりの穴だけに集中させます。どこでもできるため、毎日続けることがおすすめです。

    寝たままの体操

    仰向けに寝て足を肩幅程度に開き、膝を立てます。
    膝の間はこぶしひとつ分くらい空け、体の力を抜きます。
    肛門を締めながら膣と尿道も10秒ぎゅーっと締め、その後、30秒リラックスしましょう。
    息を口からふーっと吐きながら、肛門と膣を胃の方向に引き込むように締めるとやりやすいです。
    これを10回繰り返しましょう。

    ピラティスをする

    呼吸を意識し体幹を整えるピラティスは、骨盤底筋にアプローチできます。
    自宅でできる方法や、機械を使ったマシンピラティスなどさまざまな方法があります。続けやすい方法で始めましょう。

    フェムテックを活用する

    フェムテックを活用することもおすすめです。
    フェムテックは、「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語です。

    女性特有の悩みをテクノロジーで解決できる商品やサービスのことをいいます。
    今はさまざまな製品やサービスがあるため、フェムテックを活用することで、骨盤底筋を鍛えることができるでしょう。

    骨盤底筋トレーニングにフェムテックの活用がおすすめな理由

    トレーニングマットの上で座りながらスマホを触る中年女性

    骨盤底筋を鍛えるためには、フェムテックの活用がおすすめです。
    なぜフェムテックの活用がおすすめなのか、その理由を解説します。

    自分のニーズやライフスタイルに合わせてアレンジできる

    骨盤底筋トレーニングなど、骨盤底筋を鍛える方法はさまざまですが、症状や悩みのポイントは人によって異なります。

    フェムテックはデジタル技術を活用した製品やサービスのため、個人の状況に合わせて活用できます。
    フェムテックを活用すれば、自分の悩みやライフスタイルに合わせて最適な方法を取り入れることができるでしょう。

    数値で可視化し記録できる

    骨盤底筋トレーニングにはフェムテックを活用し、膣トレグッズなら膣圧の数値、アプリなら日々のトレーニング時間を記録することで、自分の現状を客観的に把握できます。

    たとえば、膣の中にトレーニンググッズを挿入し、専用アプリと連動すると、膣内の状況と自分の目標に合わせたエクササイズプログラムが表示されるような商品があります。

    その結果、自分の現在の状態を知り、改善することで、状況に合わせて必要なトレーニングができます。また、モチベーションアップにもつながります。

    フェムテックを活用すると、自分の状態を確認しながらトレーニングできるため、より効果的に鍛えられるでしょう。

    フェムテックを活用した骨盤底筋トレーニング4選!

    フェムテックを活用した骨盤底筋のトレーニング方法はさまざまあります。
    ここからは、さまざまなサービスの紹介をします。

    膣の筋肉を鍛えるトレーニンググッズのピンク色のケーゲルボール

    【1】膣トレグッズ

    Je Joue AMI ケーゲルボール パープル / Women's Health SHOP

    簡単にできる膣トレグッズです。
    最高級のプレミアムシリコンで肌触りの優しいトレーニンググッズです。1つのケースに3サイズ入っていて、その日の体調や症状に合わせてサイズを選べます。

    ロンドン発の商品ですが、どのサイズもアジア人女性をモニターにしているため、日本人でも体に負担が少なく、入れやすい設計です。

    グッズを入れたまま生活するだけでトレーニングできるため、簡単にできるものから始めたい方や、忙しい方、トレーニング初心者にもおすすめです。

    【2】スマホ連動型の膣トレグッズ

    elvie エルビートレイナー / fermata store

    膣内に本体を挿入後専用アプリと連動させ、データを送信すると、目標に合わせた5分間のエクササイズプログラムが表示されます。

    膣をキュッと動かすことで、動きがアプリ内のゲームの動きに反映され、ゲーム感覚で簡単にトレーニングができる製品です。

    5分間と短時間でできるため、日常生活に取り入れやすく、また、膣の動きに合わせて楽しくトレーニングできるでしょう。

    【3】骨盤底筋トレーニングチェア

    Aivivid pelluna / pelluna公式Instagram

    電磁エネルギーで骨盤底筋を収縮させるトレーニングチェアです。
    こちらは業務用フェムケアマシンのため、サロンなどでの使用がおすすめです。

    洋服を着たまま座るだけでトレーニングができるため、短時間で気軽にトレーニングOK。また、座るだけなので、体への負担も少ないのがうれしいポイントです。
    パワー調整もできるので、体の状態に合わせて使えます。

    【4】EMSトレーニング

    raciné core gym / RACINÉ

    EMS(電気刺激)でトレーニングするアイテムです。15分間座っているだけで、約1500回も筋肉収縮ができます。

    トレーニングの時間を作ることが難しい人は、リラックスタイムに「core gym」を活用し、自宅で手軽にながらトレーニングを始めてみてはいかがでしょうか。

    フェムテックを活用し骨盤底筋トレーニングをはじめよう

    トレーニングマットの上で胡坐をかきながらスマホを見る女性

    骨盤底筋のトレーニングは、尿漏れや骨盤臓器脱などのトラブルを予防するためにも、早めに始めることが大切です。

    運動が苦手な人や、忙しくて時間がなかなかとれない人でも、フェムテックを活用することで気軽に続けられるかもしれません。
    フェムテックを活用し、骨盤底筋トレーニングをして、快適な生活を送りましょう。

    この記事を書いた人

    odoriba編集者サムネイル

    オドリバ編集部

    「オドリバ」は女性の悩みに寄り添うメディア。性・カラダ・こころをメインテーマに、ライフステージを駆け上がる女性たちがひと休みできる「踊り場」のように、こころの拠り所になることを目指し誕生しました。

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