ハンドモデルの綺麗な手元と健康的な爪

【医師監修】初心者でもできる!健康的で綺麗な爪を目指すお手入れ法

2025.10.21
宇山 美樹 先生
監修
宇山 美樹 先生
天王町駅前皮膚科・アレルギー科 院長
専門 アトピー性皮膚炎、乾癬
【所属学会】 日本皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会、日本乾癬学会、日本アレルギー学会、日本美容皮膚科学会

爪は、清潔感や第一印象に大きく関わる大切なパーツです。正しいお手入れで見た目の美しさだけでなく二枚爪や割れなどのトラブルも予防できます。

本記事では、初心者でも取り組みやすい爪のお手入れ法とポイント、よくある疑問と回答をご紹介します。

爪のお手入れが必要な理由

仕事でパートナーと握手をする女性

指先にある爪は、他の人の目に入りやすいパーツです。爪の重要な役割と、お手入れで得られるメリットに着目し、爪のお手入れが必要な理由を詳しく見ていきましょう。

見た目の印象に影響を与える

清潔で整った爪は、他人に「身だしなみに気を遣っている人だ」という印象を与えます。特別なネイルアートをしていなくても、爪の形や長さを整え、乾燥を防ぐだけで指先の印象は大きく変わるものです。

爪のお手入れは、重要な身だしなみの一部といえるでしょう。

二枚爪・割れ・乾燥などのトラブル原因になる

爪は水分を吸収して膨張し、乾燥すると収縮します。膨張と収縮の繰り返しで爪の構造が不安定になり、トラブルが起こりやすくなることがあります。

爪は皮膚の一部であり、ケラチンというタンパク質でできています。爪の構造が不安定になると柔軟性を失い、割れやすくなります。また、炊事などの家事による水仕事、洗剤などの化学物質の影響でもダメージを受けます。

さらに、深爪や無理な甘皮の処理もトラブルの原因です。正しいケア方法を知らずに自己流のお手入れを続けていると、かえって爪の状態を悪化させてしまう可能性があります。「二枚爪」も、こうした要因で起こる代表的なトラブルです。

爪のトラブルと主な原因

爪のトラブルには以下のようなものがあり、それぞれ原因や適切な対処法が異なります。

トラブル別の原因とケア方法

爪の縦スジ

主な原因
老化と乾燥

ケア方法
表面を軽く削ってなめらかに整える
乾燥を防ぐ

爪の横溝

主な原因
甘皮の切りすぎ・押しすぎ
打撲など外からの衝撃

ケア方法
表面を軽く削ってなめらかに整える
乾燥を防ぐ

二枚爪

主な原因
リムーバーの使いすぎ
爪を切った時の衝撃
乾燥

ケア方法
爪切りを使わず爪やすりで長さを整える
乾燥を防ぐ

爪白斑(白い点状のもの)

主な原因
爪が生まれる際の角化異常
打撲など外からの衝撃

ケア方法
カラーネイルでカバーする
爪が伸びるのを待って爪を切る(爪を正しい長さに保つ)

ささくれ

主な原因
強い洗剤、リムーバーの影響による乾燥
過度な甘皮除去

ケア方法
ささくれ部分をニッパーなどで取り除く
乾燥を防ぐ

爪周囲炎

主な原因
荒れた皮膚やキズなどから侵入した「黄色ブドウ球菌」による炎症

ケア方法
指先を消毒し、できるだけ清潔に保つ

爪を健康に保つ基本のお手入れ法

爪の手入れに必要な道具一式と、清潔なペーパータオルの上に置かれた手

健康的で美しい爪を育てるためには、正しい手順と方法のケアが重要です。週に1〜2回程度、以下の基本ステップを実践してみましょう。

爪を整えて綺麗にしておくことは、「自分に時間をかけて、大切にしている」という自己肯定感にもつながります。

必要な道具をそろえる

基本のケアに必要な道具は、以下のようなものが挙げられます。

  • 爪やすり
  • プッシャー(甘皮を処理するために使用する)
  • バッファー/スポンジファイル(爪表面を綺麗するための仕上げに使用する)
  • キューティクルオイル/ネイルオイル
  • ベースコート
  • トップコート
  • キューティクルリムーバー
  • コットン・ガーゼ
  • ハンドクリーム

ドラッグストアなどのネイル用品コーナーで手に入り、一式セットになっているものもあります。

爪の形と長さを整える

爪を整える時は、爪切りよりも爪やすりを使うことをおすすめします。往復させると爪に負担がかかってしまうため、爪やすりは一方向で使用しましょう。爪の端から中心に向かって、斜めに削るのが理想的です。

爪の長さは、指先から2〜3mm程度が理想的です。長すぎると日常生活に支障をきたし、短すぎると深爪になってトラブルの原因となります。

また、爪の形は、指の形に合わせてスクエアオフ(四角い形の角を少し丸くした形)にするのがおすすめです。割れにくく美しい仕上がりになります。

甘皮(キューティクル)を整える

甘皮は爪の根元を保護する重要な役割がありますが、長すぎると爪の成長を妨げ、指先の印象に影響を与えることがあります。

必要に応じて適度に整えることが大切ですが、甘皮の処理は皮膚を傷つけたり、炎症や感染を引き起こすリスクもあるため、十分な注意が必要です。

甘皮処理を行う際、以下の手順を参考にしてください。

  1. 1. 指先をお湯に浸けるか、蒸しタオルで温めて甘皮を柔らかくする
  2. 2. キューティクルリムーバーを甘皮部分に塗る
  3. 3. コットンを巻きつけた綿棒で甘皮を取り除く
  4. 4. ケア後はネイルオイルやハンドクリームでしっかり保湿を行う

ご自分での処理に不安がある場合や皮膚に異常がある場合は、無理をせずネイルサロンでプロに任せることをおすすめします。

保湿して乾燥を防ぐ

爪と爪周りの皮膚は常に外気にさらされており、水分を失いやすい部位です。乾燥は二枚爪やささくれなど、さまざまな爪トラブルの最大の原因です。トラブルを防ぐためには、日々の保湿ケアが欠かせません。

手順は以下の通りです。

  1. 1. キューティクルオイル(ネイルオイル)を爪周りに塗る
  2. 2. 指先や爪の根元を中心に、やさしくマッサージする
  3. 3. 手全体にハンドクリームを塗りながら、爪周りも保湿する

毎日のこまめなケアが、美しい指先を保ちます。手洗いや水仕事の後にはすぐに保湿する習慣をつけましょう。

ネイルオフ後の爪をいたわる

ネイルオフ後は、除光液の成分や摩擦などで爪がダメージを受けています。放置するとトラブルや病気につながる可能性があるため、必ずアフターケアを行いましょう。
具体的なケア方法は、以下の通りです。

  • ベースコートで爪を保護する
  • ケラチン配合美容液で集中的にケアする
  • いつもより念入りに保湿を行う
  • 爪を休ませる期間を数日設ける

爪の回復を促して次のネイルも楽しめるよう、オフ後のケアも習慣にしましょう。

毎日のケアで変わる!爪を綺麗にするためのポイント

綺麗に整った爪を見せながら笑顔な女性

爪は、完全に生え変わるまで時間がかかります。そのため、すぐに効果は出なくても、日々のケアをコツコツ続けることが大切です。

まずは、爪を割れや欠けから防ぐため、ベースコートを塗って保護しましょう。
タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、ビオチンなど、爪に必要な栄養素を意識的に摂ることも重要です。

また、水仕事の際は手袋をして、爪で缶のふたを開けるなどの爪先に負担がかかる動作は避けるようにします。爪は夜間に成長するため、十分な睡眠を心がけましょう。

継続的にケアをしても改善しない場合、以下のような病気の可能性があります。

考えられる病気の原因と特徴

鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)

原因
栄養不足など

特徴
爪がスプーン状に薄く反り返る

爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)

原因
乾燥や外傷、加齢など

特徴
爪が縦に割れる・裂ける

爪扁平苔癬(つめへんぺいたいせん)

原因
原因不明の場合が最も多い
その他、ウイルス感染症、金属アレルギー、薬剤アレルギーなど

特徴
爪が変形・凹み・薄くなる

爪乾癬(つめかんせん)

原因
遺伝や生活習慣など

特徴
爪が変色・凹み・分厚くなる・はがれる

気になる場合は皮膚科を受診し、必要な治療を受けましょう。

爪のお手入れについてよくある質問

爪のお手入れについて、よくある質問をまとめました。

爪のお手入れはどれくらいの頻度ですればいい?

週に1〜2回程度を目安に行いましょう。甘皮処理のやりすぎは逆効果になることがあります。

保湿ケアは毎日、特に手洗いや入浴後、就寝前に丁寧に行いましょう。

ネイルをしている場合は1週間に1回は完全に除去し、爪を清潔にしてから再度塗り直すようにしましょう。ジェルネイルでは、2~3週間を目安にサロンでメンテナンスを行います。

二枚爪を防ぐ方法はある?

以下のポイントに注意すると、二枚爪の予防につながります。

  • 爪やすりを使用し、一方向に削る
  • 爪が長い状態を避ける
  • 十分に保湿する
  • 栄養バランスの良い食事を心がける
  • 除光液の使用頻度を控えめにする

日常生活で爪先に力がかかる状況を避け、爪を適度な長さにすることも重要です。

ネイルベッドを伸ばす方法はある?

ネイルベッド自体を伸ばすことはできませんが、見た目上長くする方法はいくつかあります。

最も効果的なのは、甘皮ケアです。甘皮を適切に処理すると、爪の根元がより表に出てネイルベッドが長く見えるようになります。ただし、除去しすぎは避けましょう。

また、爪を噛むクセをやめると、ネイルベッドの見た目が改善する場合もあります。爪を噛み続けると爪自体が短くなり、ピンクの部分も小さく見えてしまうためです。

継続的なセルフケアで、理想の綺麗な爪を手に入れよう

手を大事そうに触る女性

爪のトラブルの多くは、日々のお手入れで予防・改善できます。高価な道具をそろえる必要はなく、保湿ケアや栄養バランスの整った食事、そして継続的なセルフケアが重要です。

今日から正しいケアを始めて、健康的で綺麗な爪を目指しませんか?ネイルアートも自信を持って楽しめるような、理想の爪を手に入れましょう。

この記事を書いた人

サユコサムネイル

サユコ

臨床検査技師として働きながら、主に医療・メディカル分野でライティングを行う。一般の方向けから医療系専門職向けまで、多角的に正確な医療・健康情報を届けることをモットーとして活動中。

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